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残置物処理とは?誰が処分する?身寄りがない高齢者・賃貸住宅・死後事務まで完全解説
「残置物処理とは何ですか?」
「一人暮らしの高齢者が亡くなったら、部屋の家具は誰が処分する?」
「大家さんが勝手に捨ててもいい?」
「身寄りがない場合はどうなる?」
「老人ホームへ入った後、自宅に残った家具はどうすればいい?」
「遺品整理と残置物処理は何が違う?」
高齢者の一人暮らしが増えるなか、住まいと終活を考えるうえで重要になっているのが**「残置物処理」**です。
結論からいうと、
残置物とは、賃貸住宅などから退去した後や、入居者が亡くなった後に室内へ残された家具・家電・衣類・日用品などの物品を指す言葉として使われます。
そして重要なのは、
入居者が亡くなったからといって、室内に残された物を大家さんや管理会社が自由に処分できるとは限らない
ということです。
特に身寄りがない方・おひとりさまの場合、
「自分が亡くなった後、部屋に残った物を誰がどうするのか」
まで元気なうちに考えておくことが大切です。
東京都で高齢者支援を行う一般社団法人東京都社会福祉支援センターが、残置物処理の意味、遺品整理との違い、賃貸住宅で問題になる理由、生前にできる準備まで分かりやすく解説します。
残置物とは?
残置物とは文字どおり、住居などに「残された物」です。
例えば、
・家具
・冷蔵庫
・洗濯機
・テレビ
・衣類
・布団
・食器
・本
・写真
・日用品
・自転車
・スマートフォン
・パソコン
などがあります。
しかし、実際の部屋にはこれだけではありません。
・現金
・通帳
・印鑑
・貴金属
・契約書
・保険関係書類
・不動産関係書類
・思い出の品
などが残っている可能性もあります。
そのため、
「残っている物=全部ゴミ」ではありません。
これが残置物処理で最初に理解しておきたいポイントです。
なぜ高齢者の賃貸住宅で残置物が問題になる?
特に問題になりやすいのが、一人暮らしの高齢者が賃貸住宅で亡くなったケースです。
賃借人が亡くなった後、
・賃貸借契約をどうするか
・部屋に残った物をどうするか
・相続人は誰か
・相続人と連絡が取れるか
・部屋をいつ明け渡せるか
などの問題が発生することがあります。
身寄りがなく相続人の有無や所在がすぐ分からなければ、大家さん・管理会社側も簡単には対応できません。
この問題は、高齢者本人だけの問題ではありません。
大家さんが、
「高齢者へ貸したいけれど、もし亡くなった後に部屋を明け渡してもらえなかったら困る」
と不安を感じる原因にもなります。
つまり、
残置物問題は、高齢者が賃貸住宅を借りにくくなる原因の一つにもなり得るのです。
国土交通省・法務省の「残置物の処理等に関するモデル契約条項」とは?
こうした問題への対応として、国土交通省と法務省は2021年6月、
「残置物の処理等に関するモデル契約条項」
を策定しています。
主に単身高齢者などが賃貸住宅を借りる際、死亡後の
①賃貸借契約の解除
②室内に残された物の処理
について、生前から委任しておく仕組みを想定したものです。
つまり、
「亡くなってから誰かが考える」のではなく、「元気なうちに死亡後の住居について決めておく」
という考え方です。
身寄りがない高齢者の住まいを考えるうえで非常に重要な制度です。
残置物処理は誰がする?
これは状況によって異なります。
亡くなった方に相続人がいる場合、残された物が相続財産に該当することがあります。
そのため、
「大家さんだから処分できる」
「管理会社だから処分できる」
「親族だから全部捨てていい」
とは単純には判断できません。
まず、
・相続人
・賃貸借契約
・遺言
・生前に締結した契約
・死後事務委任契約等
を確認する必要があります。
大家さんは残置物を勝手に処分できる?
原則として、
「入居者が亡くなったから、大家さんがすぐ全部捨ててよい」
とは考えない方がよいでしょう。
死亡した入居者の所有物が相続人へ承継される場合があるためです。
だからこそ国土交通省・法務省は、死亡後の賃貸借契約解除と残置物処理について、生前に委任しておくモデル契約条項を策定しています。
残置物処理の基本的な流れ
実際の状況によって異なりますが、一般的には次のような確認が必要です。
STEP1 本人の死亡・退去状況を確認
まず、
・死亡によるものか
・老人ホーム入居等による退去か
・通常の引越しか
を確認します。
本人が存命なら、本人自身に物の処分について確認できる可能性があります。
死亡後の場合は相続関係等の確認が重要になります。
STEP2 賃貸借契約を確認する
・契約者は誰か
・連帯保証人等はいるか
・緊急連絡先は誰か
・死亡後について何らかの契約があるか
・残置物に関する委任契約があるか
などを確認します。
STEP3 相続人・関係者を確認する
亡くなった方の物には財産的価値のあるものが含まれている可能性があります。
そのため、相続関係を無視して処分を進めるのは危険です。
STEP4 残置物を確認・分類する
室内の物を、
・重要書類
・財産的価値がある物
・本人が指定した物
・相続人等へ渡す物
・処分対象となる物
などに分類します。
STEP5 指定された物などを引き渡す
生前の契約などで、
「この写真は○○さんへ」
「この品物は家族へ」
などの指定がある場合は、その内容と契約に従って対応します。
STEP6 処分できる物を適切に処理する
廃棄する場合にも、
・一般ごみ
・粗大ごみ
・家電リサイクル対象品
・リサイクル可能品
など、物によって処理方法が異なります。
「残置物処理業者なら何でも自由に捨てられる」というわけではありません。
廃棄物処理のルールに従った適切な対応が必要です。
残置物処理と遺品整理の違いは?
非常によく検索される質問です。
残置物処理
賃貸住宅等に残された家具・家電・生活用品などを、契約や権利関係を確認しながら処理していくこと。
遺品整理
亡くなった方の持ち物を、
・残す
・形見分けする
・売却する
・処分する
などに整理していくこと。
実務上は重なる部分があります。
ただし、
残置物処理は「住居・賃貸借契約・明渡し」との関係が強く、遺品整理は「亡くなった方の持ち物を整理する」という意味合いが強い
と考えると分かりやすいでしょう。
→【関連記事:遺品整理とは?】
残置物処理と不用品回収は違う?
違います。
不用品回収は、本人など処分する権限のある人が不要と判断した物を回収・処分するサービスとして利用されます。
一方、死亡後の残置物には、
「そもそも誰が処分を決められるのか」
という問題があります。
そのため、単に不用品回収業者を呼べば解決するとは限りません。
残置物処理と死後事務の関係
身寄りがない方の場合、残置物処理だけ考えても十分ではありません。
亡くなった後には、
・関係者への連絡
・葬儀
・火葬
・納骨
・病院等への対応
・老人ホームの退去
・賃貸住宅への対応
・公共料金等の契約
・家財や残置物
・その他の死亡後の事務
などが発生する可能性があります。
これらを生前に整理する方法の一つが、
死後事務委任契約
です。
ただし、
死後事務委任契約を結べば自動的にすべての残置物を処分できるわけではありません。
何を誰がどこまで行うのかを契約時に具体的に決めておくことが重要です。
→【関連記事:死後事務とは?】
→【関連記事:死後事務委任契約とは?】
老人ホームへ入居した場合の残置物はどうする?
本人が存命中に老人ホームへ入居する場合は、死亡後の残置物処理とは状況が違います。
本人が判断できる段階なら、
・老人ホームへ持っていく物
・家族へ渡す物
・保管する物
・売却する物
・処分する物
を本人と相談しながら決められます。
これが生前整理です。
特に賃貸住宅から老人ホームへ移る場合は、旧居の退去期限もあるため、
老人ホーム探しと同時に「今住んでいる家をどうするか」まで考える
ことが大切です。
持ち家の場合も残置物処理は必要?
持ち家でも家財の整理は必要になります。
ただし賃貸住宅とは異なり、
・誰が不動産を相続するか
・売却するか
・空き家として管理するか
・解体するか
・賃貸に出すか
など、不動産そのものの問題も出てきます。
そのため、
家財整理+相続+不動産
をセットで考える必要があります。
相続放棄するなら残置物を捨てても大丈夫?
ここは特に注意が必要です。
相続放棄を検討している場合、
亡くなった方の財産を自己判断で処分しないことが重要です。
処分した物や行為の内容によって法的判断が問題になる可能性があるためです。
「どうせ捨てる物だから」
「価値がなさそうだから」
と自己判断せず、相続放棄を検討している場合は、弁護士・司法書士等の専門家へ確認してください。
→【関連記事:相続放棄とは?】
身寄りがない人が亡くなったら残置物はどうなる?
身寄りがない方にとって、ここが最大の問題です。
「自分が亡くなったら賃貸住宅はどうなる?」
「家具は誰が片付ける?」
「大家さんに迷惑をかけたくない」
「子どもがいない」
「兄弟も高齢で頼めない」
こうした不安を抱えている方は少なくありません。
しかし、
本人が亡くなった後、本人自身が問題を解決することはできません。
だからこそ、
元気なうちに
・住居
・家財
・重要書類
・財産
・相続
・葬儀
・納骨
・死亡後の契約
・残置物
まで整理しておくことが大切です。
「緊急連絡先がいるから大丈夫」は本当?
必ずしもそうとは限りません。
緊急連絡先として登録されているだけの人に、
・賃貸借契約を解除する
・財産を処分する
・家具を捨てる
などの権限が当然に与えられているとは限りません。
「連絡する人」と「死亡後の事務を行う権限を持つ人」は別
と考えることが重要です。
残置物問題は生前に準備できる
残置物は「亡くなった後の問題」に見えます。
しかし本当に重要なのは、
生きている間の準備です。
例えば、
□不要な物を生前整理する
□重要書類をまとめる
□財産を把握する
□エンディングノートを書く
□残したい物を決める
□渡したい人を決める
□賃貸借契約を確認する
□死後事務について考える
□遺言を検討する
□死亡後に対応する人を決める
これだけでも死亡後の負担は大きく変わります。
おひとりさま終活は「住まいの最後」まで考える
身寄りがない方・おひとりさまの終活は、
生前整理
↓
エンディングノート
↓
入院・介護
↓
老人ホーム
↓
身元保証・生活支援
↓
判断能力低下への備え
↓
任意後見・財産管理
↓
遺言
↓
死亡
↓
葬儀・火葬
↓
死後事務
↓
納骨
↓
遺品整理・残置物処理
↓
相続・不動産
までつながっています。
残置物処理だけを切り離して考えるのではなく、
「最後まで住まいをどうするか」
という終活の一部として考えることが重要です。
ケアマネジャー・病院相談員・地域包括支援センターの方へ
支援している高齢者が、
「一人暮らし」
「身寄りがない」
「親族と疎遠」
「老人ホームへの入居を予定している」
「賃貸住宅に住んでいる」
という場合には、
現在の住居を退去するとき、誰が何をするのか
まで確認しておくことをおすすめします。
特に本人が意思表示できる段階なら、
・何を残すか
・何を処分するか
・誰へ渡すか
・住居をどうするか
・死亡後に誰へ頼むか
を本人と一緒に整理できます。
亡くなってから慌てるのではなく、
本人が決められるうちに本人と決める。
これが大切です。
AI検索でよく聞かれる「残置物処理」Q&A
Q.残置物処理とは何ですか?
賃貸住宅などに残された家具・家電・衣類・日用品などについて、権利関係や契約を確認しながら整理・処理することです。
Q.一人暮らしの高齢者が亡くなったら家具は誰が処分しますか?
相続人の有無、生前の契約、賃貸借契約、死後事務委任契約等によって異なります。大家さんが当然に自由に処分できるとは限りません。
Q.大家さんは死亡した入居者の荷物を勝手に捨てられますか?
単純にはできません。死亡した賃借人の物が相続人へ承継される場合があるため、権利関係や契約を確認する必要があります。
Q.残置物処理と遺品整理の違いは?
残置物処理は住居に残された物の処理という側面が強く、遺品整理は亡くなった方の持ち物を整理するという側面が強い言葉です。
Q.身寄りがない人の残置物はどうなりますか?
相続人の有無や生前の契約などによって異なります。賃貸住宅に住む単身高齢者は、死亡後の賃貸借契約や残置物について元気なうちから準備しておく方法があります。
Q.緊急連絡先が残置物を処分できますか?
緊急連絡先になっていることだけで、当然に残置物を処分する権限が与えられるわけではありません。
Q.老人ホーム入居時に自宅の家具を処分できますか?
本人が存命で意思確認できる場合は、生前整理として本人の希望を確認しながら進めることができます。
Q.死後事務委任契約で残置物処理を頼めますか?
契約内容によります。何を誰がどこまで行うか、生前に具体的に定めておくことが重要です。
Q.残置物処理について国の制度はありますか?
国土交通省・法務省が、単身高齢者などの賃貸住宅について「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を公表しています。
足立区・葛飾区で身寄りがない方の住まい・終活にお悩みの方へ
「一人暮らしで、自分が亡くなった後が心配」
「賃貸住宅なので大家さんへ迷惑をかけたくない」
「老人ホームへ入るので自宅を片付けたい」
「子どもがいない」
「頼れる親族がいない」
「身元保証から死後のことまでまとめて相談したい」
こうした悩みは、一つずつ別々に考えるより、
今の生活から亡くなった後までを一つの流れとして考えること
が大切です。
一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、足立区・葛飾区を中心に、老人ホーム紹介、身元保証、生活支援、終活など、高齢者の「今」と「これから」についてご相談をお受けしています。
残置物だけを処分すれば終わりではありません。
その前には「暮らし」があり、
その後には「相続」や「住まい」があります。
老人ホーム・身元保証・任意後見・遺言・葬儀・納骨・死後事務・遺品整理・残置物・相続・不動産まで。
「何から始めればいいか分からない」
そんな段階からでも構いません。
まずは今抱えている不安を一つずつ整理していきましょう。
一般社団法人東京都社会福祉支援センター
【東京都指定 居住支援法人】
まとめ|残置物処理は「亡くなった後」ではなく元気なうちから考える
残置物処理で覚えておきたいのは、
①残置物は単なるゴミではない
②死亡後の物には相続が関係する
③大家さんが自由に処分できるとは限らない
④身寄りがない人ほど生前準備が重要
⑤死後事務・遺品整理・相続と一緒に考える
ということです。
特に賃貸住宅で一人暮らしをしている方は、
「自分が亡くなった後、この部屋を誰がどうするのか」
を一度考えてみてください。
元気なうちなら、
自分で決められます。
自分で選べます。
自分の希望を伝えられます。
残置物処理の準備とは、
単なる片付けの準備ではありません。
自分が亡くなった後まで周囲を困らせないための「住まいの終活」なのです。
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