認知症の親を施設へ入れるには?入居を嫌がる場合・施設の選び方・費用・手続きを完全解説

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目次

認知症の親を施設へ入れるには?本人が嫌がる場合から入居までの進め方

「母の認知症が進み、一人で留守番をさせるのが心配」

「父が夜中に外へ出てしまうことがあり、家族が眠れない」

「老人ホームの話をすると、絶対に嫌だと怒ってしまう」

「認知症でも入れる施設はあるの?」

認知症の親の介護を続けるなかで、施設への入居を考え始めるご家族は少なくありません。

しかし、施設に入れることが本当に親のためになるのか、本人が嫌がっているのに話を進めてよいのか、悩むこともあるでしょう。

大切なのは、親を施設に入れること自体を目的にするのではなく、ご本人とご家族が安心して生活できる環境を考えることです。

この記事では、認知症の親が入れる施設の種類、入居を嫌がる場合の対応、費用、契約手続き、施設選びの注意点まで詳しく解説します。

第1章|認知症の親を施設へ入れることはできますか?

はい。認知症のある方でも、状態や入居条件に合った老人ホーム・介護施設へ入居できます。

主な候補は、認知症グループホーム、介護付き有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどです。

ただし、認知症の診断があるという理由だけで、どの施設にも入れるわけではありません。

要介護度、認知症による生活上の困りごと、医療的な支援の必要性、施設の人員体制などによって受入条件が異なります。

また、認知症があっても、ご本人の意思を尊重することが重要です。

まずは現在の状況を整理し、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどに相談するところから始めましょう。

第2章|認知症の親を施設へ入れるタイミングはいつ?

認知症と診断されたら、すぐ施設に入るべき?

いいえ。認知症と診断されたからといって、直ちに施設入居が必要になるわけではありません。

認知症の症状や進行の程度、生活環境、家族の支援体制には個人差があります。

訪問介護、デイサービス、見守りサービスなどを利用しながら、自宅で生活を続けられる場合もあります。

一方で、本人の安全や健康が保てない状況、家族の介護負担が大きくなっている状況では、施設入居を具体的に検討することが必要です。

施設入居を検討したい7つの状況

  • 外出後に自宅へ戻れなくなることがある
  • 火の消し忘れなど、重大な事故につながる不安がある
  • 食事や水分を十分に取れていない
  • 薬の管理が難しくなっている
  • 夜間の見守りが必要で、家族が十分に休めない
  • 排泄や入浴などで継続的な介助が必要になった
  • 家族が仕事や健康を維持しながら介護することが難しくなった

これらは、必ず施設へ入居しなければならないという基準ではありません。

しかし、現在の介護体制を見直すきっかけになります。

特に急激な混乱や行動の変化が起きた場合は、認知症の進行だけでなく、感染症や薬の影響などが関係することもあるため、医療機関へ相談してください。

家族が限界を感じたら施設を探してもいい?

もちろんです。

家族が疲れ切ってしまうまで在宅介護を続ける必要はありません。

介護する家族の健康や生活も大切です。

施設への入居は、親を見捨てることではなく、必要な支援を専門職と分担する選択肢の一つです。

ただし、施設入居だけが解決策ではありません。

ショートステイなどを利用して一時的に介護負担を軽減しながら、今後の暮らしを検討する方法もあります。

第3章|認知症の親が入れる老人ホーム・介護施設の種類

認知症の方が利用できる主な施設には、次のようなものがあります。

施設の種類主な特徴入居条件・注意点
認知症グループホーム少人数で共同生活し、認知症ケアを受ける原則、認知症の診断があり要支援2以上。地域密着型の利用条件あり
介護付き有料老人ホーム施設の介護サービスを利用できる認知症への対応範囲、医療体制は施設ごとに異なる
住宅型有料老人ホーム生活支援を受け、必要に応じ外部介護サービスを利用認知症の症状や必要な見守りに対応できるか確認
特別養護老人ホーム常時介護が必要な方の生活施設新規入所は原則要介護3以上。要介護1・2は特例入所の対象となる場合あり
介護老人保健施設在宅復帰やリハビリテーション等を支援原則要介護1以上。長期の生活施設とは役割が異なる

3-1. 認知症グループホームとは?

認知症グループホームは、認知症のある方が家庭的な環境で共同生活しながら、介護や日常生活の支援を受ける施設です。

正式には「認知症対応型共同生活介護」といいます。

基本的な対象は、認知症の診断がある要支援2または要介護1~5の方です。

地域密着型サービスのため、原則として施設が所在する市区町村の住民が利用します。

例えば、足立区に住民票がある方が葛飾区のグループホームを希望する場合、通常の入居とは異なる確認が必要です。

また、グループホームは医療機関ではないため、医療的ケアの必要性や認知症の症状によっては受け入れが難しい場合もあります。

厚生労働省の2026年の資料でも、グループホームは認知症のある高齢者に家庭的な環境で介護などを提供するサービスと説明されています。厚生労働省

3-2. 介護付き有料老人ホームとは?

介護付き有料老人ホームは、施設内で介護サービスを受けながら生活する住まいです。

認知症の方を受け入れる施設もありますが、すべての施設があらゆる症状に対応できるわけではありません。

特に、夜間の見守り、外出への対応、医療機関との連携などを確認することが大切です。

3-3. 特別養護老人ホームとは?

特別養護老人ホーム(特養)は、常時介護が必要で、自宅での生活が難しい方を対象とする施設です。

新規入所は原則として要介護3以上ですが、要介護1・2でも、認知症などにより在宅生活が著しく困難な場合には、特例入所が認められることがあります。

ただし、特例入所は自動的に認められるものではなく、個別の状況に基づいて判断されます。

また、希望する施設にすぐ入所できるとは限りません。

3-4. どの施設を選ぶべき?

認知症の診断名だけで施設を決めるのではなく、次の点を確認します。

  • 本人がどのような生活を望んでいるか
  • どの程度の見守りが必要か
  • 夜間の介護体制があるか
  • 医療的ケアが必要か
  • 認知症の症状に対応できるか
  • 介護度が上がった場合も生活を続けられるか
  • 家族が無理なく面会できる場所か

「認知症対応可」と書かれている施設でも、個別の状態によって受入可否が変わることがあります。

施設の種類だけでなく、具体的な対応内容まで確認しましょう。

第4章|認知症の親が施設入居を嫌がる場合はどうする?

本人が嫌がっていても施設に入れられる?

認知症があるからといって、家族が本人の意思を無視して自由に施設入居を決められるわけではありません。

認知症の方にも意思があり、本人の理解や意思表明を支援することが重要です。

厚生労働省の「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」でも、本人の意思の尊重、意思決定能力への配慮、チームによる支援が基本原則として示されています。地方厚生局

親が施設を嫌がる理由を確認する

入居を嫌がる背景には、さまざまな気持ちが考えられます。

「自分の家で暮らしたい」

「知らない人ばかりの場所は怖い」

「家族に見捨てられるのではないか」

「施設へ行く理由が分からない」

認知症の症状によって、状況を理解しにくくなっている場合もあります。

だからこそ、家族の都合だけで説得するのではなく、本人が何に不安を感じているのかを確認することが大切です。

施設入居を進めるための5つの工夫

① 本人の気持ちを否定しない

「もう一人では暮らせない」と一方的に伝えるのではなく、本人の不安や希望を聞きます。

② 一度に多くの情報を伝えない

施設の写真や短い説明などを使い、本人が理解しやすい形で伝えます。

③ 信頼している専門職に相談する

ケアマネジャーや主治医など、本人が信頼している人に相談する方法があります。

④ 見学や短期間の利用を検討する

本人の状態や施設の受入条件に応じて、見学やショートステイなどを検討します。

⑤ すぐに結論を出さない

本人の意思は状況や時間によって変わる場合があります。繰り返し確認しながら進めましょう。

ただし、生命や身体に差し迫った危険がある場合には、安全確保を優先して医療・介護の専門職や関係機関へ速やかに相談する必要があります。

第5章|認知症の親を施設へ入れるまでの手順

  1. 医療・介護の状況を確認する診断内容、現在の症状、服薬、必要な見守り、生活上の困りごとを整理します。
  2. 要介護認定を確認する認定を受けていない場合は、市区町村の窓口や地域包括支援センターへ相談します。
  3. 本人の希望と家族の状況を整理する住みたい地域、生活習慣、家族の介護負担、希望する施設の条件を確認します。
  4. 費用と契約上の課題を確認する年金、預貯金、入居時の費用、身元保証、契約を締結する能力などを確認します。
  5. 施設候補を探す認知症の症状や医療対応に合う施設を比較します。
  6. 見学・面談・受入確認を行う職員体制、生活環境、本人への対応、契約条件を確認します。
  7. 契約・入居準備を進める適切な契約手続きを確認し、必要な書類や生活用品を準備します。

入居前に準備したい情報

施設探しでは、次の情報を整理しておくと相談が進めやすくなります。

項目確認する内容
介護度要支援・要介護認定の区分
認知症の状態診断、症状、生活上の困りごと
身体状況歩行、食事、排泄、入浴
医療情報持病、服薬、医療的ケア
希望地域現在の住所、家族が面会しやすい地域
費用年金、預貯金、月額予算
契約関係本人の理解・判断状況、代理権の有無
緊急連絡連絡先、支援してくれる人

すべての情報がそろっていなくても、相談を始めることはできます。

第6章|認知症の親の施設費用はいくら?

認知症の方の施設費用は、施設の種類、地域、介護度、医療対応、居室などによって大きく異なります。

一律に「認知症なら月額いくら」と決めることはできません。

主な費用

  • 入居一時金・敷金
  • 家賃・居住費
  • 食費
  • 管理費
  • 介護保険サービスの自己負担
  • 医療費・薬代
  • おむつ・日用品などの実費

例えば、月額利用料に介護保険サービス費が含まれていない施設では、利用するサービスに応じた費用が別途必要になることがあります。

また、介護度が上がると自己負担額が変わる場合があります。

年金だけで認知症の親を施設へ入れられる?

年金収入だけで費用を賄えるかは、本人の年金額と施設の料金によって異なります。

特養などでは、所得や資産などの条件に応じて居住費・食費の負担軽減制度が利用できる場合があります。

ただし、すべての施設で同じ制度が使えるわけではありません。

月額費用だけでなく、入居時の支払い、医療費、将来の介護状態の変化も考慮しましょう。

第7章|認知症の親の施設契約は家族が代わりにできますか?

子どもなら親の代わりに契約できる?

子どもであるという理由だけで、当然に親の代理人として施設契約を締結できるわけではありません。

まず、本人が契約内容を理解して意思決定できるかを、必要な支援を行いながら確認します。

本人による契約が難しい場合は、有効な代理権がある人による手続きや、成年後見制度などを検討することがあります。

成年後見制度とは?

成年後見制度は、認知症などによって判断能力が不十分な方の財産管理や契約などを支援する制度です。

法定後見制度では、家庭裁判所が本人の状況に応じて後見人等を選任します。

ただし、成年後見人は当然に身元保証人になるわけではありません。

成年後見、身元保証、緊急連絡先、死後事務は、それぞれ役割が異なります。

また、成年後見人が本人の居住に関する法律行為を行う場合にも、権限や必要な手続きの確認が必要です。

判断能力や契約について不安がある場合は、施設側や地域包括支援センター、法律専門職などへ早めに相談しましょう。

第8章|認知症の親の施設選びで失敗しないための確認事項

「認知症対応可」だけで決めない

施設の広告や案内に「認知症対応可」と書かれていても、受入可能な状態は施設ごとに異なります。

例えば、夜間に頻繁に歩き回る方、強い不安がある方、医療的ケアが必要な方などについて、施設の対応力を個別に確認する必要があります。

認知症の症状を隠して入居を進めると、入居後に必要な支援が受けられず、本人にも施設にも負担が生じるおそれがあります。

見学で確認したい7つのポイント

  1. 認知症のある入居者への職員の接し方
  2. 夜間の見守り体制
  3. 不安や混乱が強いときの対応
  4. 医療機関との連携
  5. 日中の活動や生活リズム
  6. 状態が変化した場合の継続入居条件
  7. 退去が必要になる条件と費用

特に重要なのは、入居できるかだけでなく、入居後も安心して暮らし続けられるかです。

施設側に伝えておきたいこと

認知症の症状だけでなく、本人の生活歴や好きなこと、苦手なことも伝えましょう。

例えば、長年続けてきた趣味、好きな食べ物、生活リズム、落ち着く声かけなどです。

認知症のある方を「介護が必要な人」としてだけではなく、一人の生活者として理解してもらうことが大切です。

第9章|東京都で認知症の親の施設を探すには?

東京都内で認知症の親の介護や施設探しに悩んだ場合、まず地域包括支援センターや担当ケアマネジャーに相談できます。

地域包括支援センターは、認知症に関する相談や介護サービスの利用について、必要に応じて関係機関につなぐ役割があります。

厚生労働省も、認知症に関する主な相談先として地域包括支援センターを案内しています。厚生労働省

足立区・葛飾区などで施設を探す場合

東京都内でも、施設の空き状況、費用、受入条件は地域や施設によって異なります。

特にグループホームは地域密着型サービスのため、住民票のある市区町村との関係を確認する必要があります。

「自宅の近くで探したい」

「家族が面会しやすい施設がいい」

「今の症状でも入れる施設を知りたい」

こうした希望を整理しながら候補を探すことが重要です。

東京都社会福祉支援センターに相談できること

一般社団法人 東京都社会福祉支援センターでは、認知症の親の老人ホーム探しについてもご相談いただけます。

また、施設入居に伴う身元保証や、退院後の住まい、居住支援など、住まいに関係する課題についても相談に対応しています。

東京都指定の居住支援法人として、高齢者の住まいの確保に関する支援にも取り組んでいます。

認知症の診断があるからといって、すぐに入居先を決めなければならないわけではありません。

ご本人の希望とご家族の状況を整理しながら、適切な選択肢を考えることが大切です。

第10章|よくある質問(FAQ)

Q1. 認知症の親は要介護1でも施設に入れますか?

はい。要介護1でも入居対象となる認知症グループホームや有料老人ホームがあります。ただし、認知症の状態や施設の受入条件によって異なります。

Q2. 認知症の親が施設入居を拒否したら、無理に入れてもいいですか?

本人の意思を無視して入居を進めることは避けるべきです。まず拒否する理由を確認し、本人が理解しやすい説明や見学などを検討します。安全上の問題がある場合は専門職へ相談しましょう。

Q3. 認知症が進んでいてもグループホームに入れますか?

入居できる場合はあります。ただし、必要な医療的ケアや認知症の症状、施設の職員体制によって受入可否が変わります。個別の確認が必要です。

Q4. 認知症の親を施設へ入れるまで、どのくらいかかりますか?

施設の空き状況、本人の状態、見学・面談、契約手続きなどによって異なります。短期間で進む場合もありますが、希望施設に空きがない場合や契約上の調整が必要な場合は時間がかかります。

Q5. 親の年金だけで認知症対応の老人ホームに入れますか?

年金額や施設の料金、利用できる制度によって異なります。月額利用料だけでなく、介護サービス費、医療費、入居時の費用などを含めて確認しましょう。

Q6. 認知症の親に身元保証人がいない場合はどうすればいいですか?

保証人がいないことだけで入居を諦める必要はありません。契約や緊急連絡、費用の支払いなどを整理し、施設や地域包括支援センター、支援機関へ相談しましょう。

Q7. 認知症の親の施設探しは、ケアマネジャー以外にも相談できますか?

はい。地域包括支援センター、自治体の高齢福祉担当窓口、老人ホーム紹介の相談窓口などにも相談できます。退院が関係する場合は、病院の医療ソーシャルワーカーへの相談も重要です。

第11章|まとめ|認知症の親の施設探しは家族だけで抱え込まないで

認知症の親を施設へ入れるには、施設の種類だけでなく、本人の希望、認知症の状態、介護度、費用、契約手続きなどを総合的に考える必要があります。

本人が施設入居を嫌がっている場合も、すぐに結論を出す必要はありません。

まずは本人の気持ちを確認し、必要に応じて医療・介護の専門職と相談しながら、今後の暮らしを考えましょう。

認知症の親の老人ホーム探しでお困りの方へ

「認知症の母が一人暮らしをしていて心配」

「父が施設入居を嫌がっている」

「家族の介護が限界に近い」

「今の症状でも受け入れてくれる老人ホームを探したい」

「退院日が決まっているのに、入居先が見つからない」

一般社団法人 東京都社会福祉支援センターでは、こうしたご相談に対応しています。

ご本人・ご家族だけでなく、ケアマネジャー、病院の医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センターなど、支援者の方からのご相談も受け付けています。

まだ施設入居を決めていない段階でも構いません。

まずは現在の状況や希望をお聞かせください。


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