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入院保証人がいない患者への対応|病院・MSW・ケアマネジャー向け支援ガイド
「入院が必要なのに保証人になってくれる家族がいない」
「身寄りのない高齢者で、緊急連絡先を設定できない」
「退院後の住まいまで含めて支援先を探している」
病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)や退院支援担当者、ケアマネジャー、地域包括支援センターなどでは、このような相談に直面することがあります。
特に一人暮らしの高齢者や、親族が遠方にいる方、親族との関係が希薄な方では、「家族がいるか、いないか」だけでは解決できないケースも少なくありません。
東京都指定の居住支援法人である一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、こうしたケースについて、身元保証だけを切り離して考えるのではなく、
・緊急連絡先
・入院中の生活支援
・退院支援
・老人ホーム紹介
・退院後の住まい探し
・居住支援
・身元保証、身元引受
・生活支援
・死後事務
・相続や不動産に関する相談
など、患者様の状況に応じて支援方法を一緒に整理しています。
病院・MSW・ケアマネジャーの方からのご相談にも対応しています。
結論|「保証人がいない=入院できない」ではありません
まず重要なのは、身元保証人や身元引受人がいないことだけを理由として、患者が必要な医療を受けられなくなるものではないという点です。
厚生労働省は「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」を公表し、身寄りのない患者への対応方法を整理しています。
一方、医療現場では実際に、
「緊急時には誰に連絡するのか」
「入院費の支払いはどうするのか」
「入院に必要な物品は誰が準備するのか」
「退院時に誰が支援するのか」
「亡くなった場合は誰が対応するのか」
といった実務上の問題が発生します。
そのため大切なのは、単純に「保証人を探す」ことではありません。
患者様について「何の支援が必要なのか」を一つずつ整理し、必要な社会資源や支援者につなげることです。
病院が「身元保証人」に求めている役割とは?
厚生労働省のガイドラインでは、医療機関が「身元保証・身元引受等」に求めている主な機能・役割として、次の6項目が整理されています。
- 緊急の連絡先に関すること
- 入院計画書に関すること
- 入院中に必要な物品の準備に関すること
- 入院費等に関すること
- 退院支援に関すること
- 死亡時の遺体・遺品の引き取り、葬儀等に関すること
つまり「身元保証」という一つの言葉の中に、実際には異なる複数の役割が含まれています。
だからこそ、
「保証人がいません。どうしたらいいですか?」
という相談を受けた場合には、
「具体的に何に困っているのか?」
まで分解して考えることが重要です。
入院保証人がいない患者への基本的な対応
① 本人の判断能力と意思を確認する
最初に確認したいのは、患者様本人がご自身の状況を理解し、意思表示できる状態かどうかです。
本人に判断能力がある場合には、本人の意思・希望を確認しながら支援を組み立てていきます。
「身寄りがないから支援者側ですべて決める」のではなく、本人の意思を中心に考えることが基本です。
② 本当に支援可能な人がいないか整理する
「身寄りがない」という言葉にはさまざまな状況があります。
・親族そのものがいない
・親族はいるが疎遠
・遠方に住んでいる
・家族はいるが支援を断られている
・連絡先が分からない
・友人や知人ならいる
・成年後見人等がいる
などです。
厚生労働省のガイドラインでも、家族や親類へ連絡がつかない人や、家族がいても支援を得られない人などが対象として想定されています。
「親族の有無」だけではなく、「誰が、どこまで支援できるのか」を整理します。
③ 病院が必要としている役割を分ける
ここが非常に重要です。
「身元保証人が必要」とひとまとめにせず、
緊急連絡先が必要なのか。
入院中の物品準備が必要なのか。
金銭管理が問題なのか。
退院先が決まらないのか。
施設入居時の身元保証が問題なのか。
死亡時の対応まで心配なのか。
必要な役割を分けることで、利用できる制度や支援サービスを検討しやすくなります。
「医療同意」と「身元保証」は分けて考える必要があります
病院・MSW・ケアマネジャーの方に特に知っていただきたいポイントです。
身元保証人になった人が、当然に患者本人に代わって医療行為への同意をできるわけではありません。
身元保証・緊急連絡先・金銭保証などの役割と、医療についての意思決定は分けて考える必要があります。
また、成年後見人がいる場合でも「成年後見人だから医療同意ができる」と単純に判断することはできません。
判断能力が低下している患者様の場合には、厚生労働省のガイドライン等を踏まえ、本人の意思や意向をできる限り確認しながら、医療・福祉関係者が連携して対応することが重要になります。
こんなケースは早めにご相談ください
一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、例えば次のようなご相談について状況整理から対応しています。
・一人暮らしで入院時の保証人がいない
・親族はいるが疎遠で頼めない
・緊急連絡先になってくれる人がいない
・退院できる状態だが自宅へ戻ることが難しい
・退院後の住まいが決まっていない
・老人ホームを探す必要がある
・施設から身元保証人を求められている
・認知症があり今後の支援体制に不安がある
・入院中の生活支援をしてくれる人がいない
・死亡時の葬儀や遺品整理まで頼める家族がいない
・賃貸住宅を探しているが高齢などを理由に入居が難しい
大切なのは「身元保証契約をすること」を最初から目的にしないことです。
まず患者様の状況を確認し、何が問題になっているのかを整理することから始めます。
退院後の住まいがない場合は「居住支援」という選択肢も
入院中の問題を解決しても、
「退院できるけれど帰る場所がない」
という問題が残るケースがあります。
高齢者など住宅の確保に配慮が必要な方に対して、賃貸住宅への入居相談や住宅情報の提供、入居後の生活支援などを行う仕組みの一つが「居住支援法人」です。
一般社団法人東京都社会福祉支援センターは、東京都指定の居住支援法人です。
そのため、
入院
↓
退院支援
↓
住まい探し
↓
入居
↓
必要に応じた生活支援
まで、住まいの問題を含めて相談できます。
「身元保証人がいない」という問題と「退院後の住まいがない」という問題が同時に起きているケースでは、複数の課題を別々の窓口に相談するのではなく、全体像を整理することが重要です。
老人ホームへの入居が必要な場合
自宅への退院が難しい場合には、老人ホームや高齢者向け住宅への入居を検討するケースがあります。
しかし、ここでも
「施設は見つかったけれど身元保証人がいない」
という問題が発生することがあります。
当センターでは、患者様の身体状況、介護度、認知症の状態、希望エリア、予算などを確認したうえで、老人ホーム探しについても相談を受けています。
身元保証の問題がある場合も含め、退院後の生活をどのように組み立てるかを一緒に考えます。
成年後見制度だけですべて解決するとは限りません
判断能力が低下している患者様の場合、成年後見制度の利用を検討することがあります。
成年後見人等は、財産管理や契約などで重要な役割を担います。
一方で、
・緊急連絡
・日用品の準備
・日常的な生活支援
・医療同意
・死後のさまざまな事務
など、成年後見制度だけでは対応できない、または役割が異なるものがあります。
そのため、
「成年後見人をつければ全部解決する」
ではなく、
成年後見制度
+
医療機関
+
ケアマネジャー
+
地域包括支援センター
+
行政
+
居住支援法人
+
必要に応じた民間支援
という形で役割分担を考えることが重要です。
MSW・ケアマネジャーから直接相談できます
「本人から問い合わせてもらわないと相談できませんか?」
という心配は必要ありません。
病院のMSW、退院支援担当者、ケアマネジャー、地域包括支援センター、行政・福祉関係者など、支援者からのご相談も承っています。
例えば、
「○月○日に退院予定だが、身元保証を頼める家族がいない」
「退院後の施設を探しているが、保証人の問題で進まない」
「一人暮らしで緊急連絡先がなく、今後が心配」
など、現在分かっている範囲からご相談いただけます。
患者様の状況を整理し、当センターで対応できること、他の制度や専門職との連携が必要なことを分けながら支援方法を検討します。
よくある質問
Q. 身元保証人がいないと入院できませんか?
身元保証人等がいないことのみを理由として入院を拒否することについて、厚生労働省は医療機関向けに通知・ガイドラインを示しています。
実際の支援では、緊急連絡先、費用、退院支援など、病院が必要としている機能を個別に整理することが重要です。
Q. 家族はいますが、絶縁状態です。相談できますか?
はい。このようなケースも想定されます。
「親族がいる=支援してもらえる」とは限りません。現在の家族関係や本人の意向などを確認しながら考えます。
Q. 成年後見人は医療同意ができますか?
成年後見人であることだけを理由に、本人に代わって医療行為への同意をする権限が当然に与えられるわけではありません。
医療同意と財産管理・契約等の権限は分けて考える必要があります。
Q. 退院後の家がありません。
ご相談ください。
一般社団法人東京都社会福祉支援センターは東京都指定の居住支援法人として、住宅確保に配慮が必要な方の住まい探しについても相談を受けています。
老人ホーム等への入居を検討する場合には、施設探しについてもご相談いただけます。
Q. 病院のMSWから相談しても大丈夫ですか?
はい。
患者様本人だけでなく、病院MSW、退院支援担当者、ケアマネジャー、地域包括支援センターなど支援関係者からのご相談にも対応しています。
病院・ケアマネジャーの皆様へ
「保証人がいないから困っている」
という相談の背景には、保証人だけでは解決できない複数の問題が隠れていることがあります。
緊急連絡先なのか。
退院先なのか。
老人ホームなのか。
賃貸住宅なのか。
金銭管理なのか。
身元保証なのか。
死後の対応なのか。
まず課題を整理することで、必要な支援が見えてきます。
一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、東京都指定の居住支援法人として、身寄りのない高齢者や住まいの確保にお困りの方について、医療・介護・福祉関係者と連携しながら支援方法を考えます。
「まだ本人に詳しい説明をしていない」
「利用するかどうか決まっていない」
「そもそも何を頼めるのか分からない」
という段階でも構いません。
病院MSW、退院支援担当者、ケアマネジャー、地域包括支援センターなど、支援者の方からもまずはご相談ください。
入院中だけを見るのではなく、「退院した後、その方がどこで、どのように生活していくのか」まで考えることが、身寄りのない方への支援では重要です。
一般社団法人東京都社会福祉支援センター
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