医療対応老人ホームとは?24時間看護・対応できる医療行為・費用・施設の選び方を徹底解説

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目次


「胃ろうやインスリン注射が必要でも老人ホームに入れますか?」

「病院から退院を求められていますが、自宅で医療処置を続けるのは難しいです」

「24時間看護師がいる老人ホームは、普通の介護施設と何が違うのでしょうか?」

持病や医療処置が必要な高齢者の老人ホーム探しでは、単に「医療対応」と案内されている施設を選ぶだけでは不十分です。

医療対応老人ホームという名称には、法律上統一された一つの施設種別があるわけではありません。一般的には、看護師、訪問診療、訪問看護、協力医療機関などと連携し、一定の医療処置や健康管理に対応できる高齢者施設を指します。

主な候補には、次のような施設があります。

  • 24時間看護師を配置する介護付き有料老人ホーム
  • 訪問看護と連携する住宅型有料老人ホーム
  • 医療対応型のサービス付き高齢者向け住宅
  • 介護医療院
  • 介護老人保健施設
  • 医療連携体制が整った特別養護老人ホーム
  • ホスピス型・緩和ケア対応型住宅

ただし、同じ「医療対応可能」の施設でも、胃ろう、たん吸引、インスリン注射、人工透析、在宅酸素、ストーマ、中心静脈栄養、看取りなどの受け入れ条件は異なります。

また、看護師が24時間施設内にいるのか、夜間は電話連絡だけなのか、訪問看護を利用するのかによっても、対応できる医療行為や緊急時の体制は大きく変わります。

介護医療院は、長期的な医療と介護の両方を必要とする要介護高齢者に対し、医学的管理、看護、介護、機能訓練、日常生活上の支援を提供する施設です。厚生労働省は、介護医療院を「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナルケア」と生活施設としての機能を兼ね備えた施設と位置付けています。

本記事では、医療対応老人ホームの種類、対応できる医療行為、24時間看護の意味、費用、病気別の施設選び、入居を断られる理由、退院前に確認すべきポイントまで詳しく解説します。


医療対応老人ホームの結論

医療対応老人ホームとは、医療処置や継続的な健康管理が必要な高齢者を受け入れられる介護施設や高齢者住宅の総称として使われる言葉です。

次のような方が主な対象になります。

  • 胃ろうや経管栄養を行っている
  • たん吸引が必要
  • インスリン注射が必要
  • 在宅酸素を使用している
  • ストーマを造設している
  • 尿道カテーテルを使用している
  • 人工透析へ通院している
  • パーキンソン病などの進行性疾患がある
  • がんの緩和ケアや看取りを希望している
  • 認知症と持病の両方がある
  • 退院後も医療管理が必要
  • 終末期を施設で穏やかに過ごしたい

最適な施設は、病名だけでは決まりません。

施設を選ぶ際には、医療処置の内容、実施回数、時間帯、病状の安定性、夜間対応、通院の必要性、認知症、身体介護、要介護度、予算、身元保証人の有無を総合的に確認する必要があります。


第1章 医療対応老人ホームとは

医療対応は施設ごとに意味が異なる

「医療対応可能」と書かれている老人ホームであっても、すべての医療行為に対応できるわけではありません。

施設によって、次のような違いがあります。

  • 看護師が日中のみ勤務
  • 看護師が24時間常駐
  • 夜間は看護師がオンコールで対応
  • 訪問看護事業所と連携
  • 訪問診療の医師が定期的に往診
  • 協力医療機関へ通院または救急搬送
  • 特定の医療処置のみ対応
  • 病状が安定している方だけ受け入れ
  • 終末期や看取りまで対応
  • 長期入院になると退去が必要

そのため、「看護師がいますか」と聞くだけでは不十分です。

次のように具体的に確認しましょう。

  • 看護師の勤務時間は何時から何時までか
  • 夜間に看護師は施設内にいるか
  • 夜間に医療処置が必要な場合も対応できるか
  • 緊急時は誰が判断するか
  • 訪問診療は月に何回あるか
  • 協力医療機関はどこか
  • 救急搬送時に職員が同行するか
  • 看取りや終末期医療に対応できるか

介護と医療は役割が異なる

介護職員は、食事、入浴、排せつ、着替え、移動、見守りなど、日常生活の支援を行います。

一方、看護師は、健康状態の観察、服薬管理、医師の指示に基づく医療処置、体調変化の判断、医療機関との連携などを担います。

たん吸引や経管栄養は医行為として整理されていますが、一定の研修を受けた介護職員等が、医師・看護職員との連携など所定の条件を満たした場合に実施できる制度があります。

ただし、研修を受けた職員がいるからといって、すべての入居者、すべての時間帯、すべての方法に対応できるとは限りません。

施設の登録状況、職員体制、医師の指示、本人の状態を確認する必要があります。


第2章 医療対応が必要な方が入れる施設の種類

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、施設の介護職員から食事、入浴、排せつ、移動、服薬、見守りなどの介護サービスを受けながら生活する施設です。

医療対応を重視した施設では、看護師の配置を手厚くしたり、24時間看護師を配置したり、訪問診療や医療機関との連携を強化したりしています。

向いている方

  • 日常的な身体介護が必要
  • 認知症と医療処置の両方がある
  • 夜間の見守りが必要
  • 服薬管理が難しい
  • 将来の介護度上昇に備えたい
  • 看取りまで同じ施設で暮らしたい

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、介護付き有料老人ホームを比較する際、看護・介護職員数、経験年数、資格、退職者数などを確認できます。夜間や早朝の事故に備え、夜間勤務の介護職員・看護職員数を確認することも重要です。

注意点

介護付き有料老人ホームであっても、看護師の24時間配置は一律ではありません。

夜間のたん吸引やインスリン注射が必要な場合は、実施できる時間帯まで具体的に確認してください。


住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、食事、生活相談、見守りなどのサービスを受けながら暮らし、介護や看護が必要な場合は、訪問介護、訪問看護、訪問診療などを個別に利用する施設です。

近年は、訪問看護事業所を併設または連携し、医療依存度の高い方を受け入れる住宅型有料老人ホームもあります。

向いている方

  • 訪問看護を利用したい
  • がんや難病などの療養が必要
  • 病院ではなく生活の場で過ごしたい
  • ホスピスケアや緩和ケアを希望している
  • 必要な介護・看護サービスを個別に組みたい

注意点

月額利用料のほか、訪問介護、訪問看護、医療費、薬代、保険外サービス費などが発生することがあります。

基本料金だけで比較せず、現在の状態で毎月いくら必要になるかを見積もることが重要です。


サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅、通称サ高住は、安否確認と生活相談が付いた高齢者向け住宅です。

医療機関、訪問看護、訪問介護と連携し、医療対応を強化しているサ高住もあります。

向いている方

  • 比較的自由な生活を希望している
  • 訪問診療や訪問看護を利用したい
  • 介護サービスを個別に選びたい
  • 病状が比較的安定している

注意点

サ高住の基本サービスだけで、24時間の介護や医療が受けられるとは限りません。

夜間の医療処置、看護師の配置、緊急時対応、介護度が上がった場合の継続入居について確認してください。


介護医療院

介護医療院は、長期にわたる療養が必要な要介護者へ、医療、看護、介護、機能訓練、生活支援を提供する施設です。

介護老人保健施設が主に在宅復帰を目指す施設であるのに対し、介護医療院は長期療養と生活の場としての役割を持っています。

向いている方

  • 長期的な医学的管理が必要
  • 医療と介護の両方が必要
  • たん吸引や経管栄養などが必要
  • 看取りやターミナルケアを希望
  • 病院からの退院後、自宅生活が困難
  • 要介護度が高い

注意点

入所には、医療・介護の必要性について施設の判定があります。

希望する地域に空きがない場合や、施設によって受け入れ条件が異なる場合があります。


介護老人保健施設

介護老人保健施設、通称老健は、病院退院後などにリハビリ、看護、介護、必要な医療を受けながら、在宅復帰を目指す施設です。

向いている方

  • 入院後すぐ自宅へ戻れない
  • リハビリが必要
  • 次の老人ホームを探す時間が必要
  • 身体機能の回復を目指したい
  • 医療処置は必要だが病状は安定している

注意点

老健は原則として終身入居を目的とした施設ではありません。

入所中から、自宅復帰または次の施設への移行を検討する必要があります。


特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム、通称特養は、原則として要介護3以上で、自宅での生活が難しい方を対象とする生活施設です。

医療機関ではないため、高度な医療管理や頻回な医療処置が必要な方は受け入れが難しいことがあります。

ただし、看護師配置、嘱託医、看取り体制、たん吸引等に対応する職員の有無などは施設によって異なります。


ホスピス型・緩和ケア対応型住宅

がん、難病、終末期などの方を対象に、訪問看護、訪問診療、介護サービスを組み合わせて支援する住宅です。

向いている方

  • がんの終末期
  • ALSなどの神経難病
  • 痛みや呼吸苦の緩和が必要
  • 病院ではなく生活の場で最期を迎えたい
  • 家族の介護だけでは難しい

「ホスピス」と案内されていても、医療機関としてのホスピス病棟とは制度やサービスが異なることがあります。

看護体制、医師との連携、費用、看取り実績を確認してください。


第3章 老人ホームで対応が検討される主な医療行為

以下は一般的な傾向です。

実際の受け入れ可否は、本人の状態、処置回数、実施時間、施設の看護体制によって異なります。

胃ろう・経管栄養

胃ろうは、胃に作った開口部から栄養を注入する方法です。

確認するポイントは次のとおりです。

  • 注入回数
  • 注入時間
  • 夜間の注入
  • 看護師または研修修了職員の配置
  • チューブの自己抜去リスク
  • 誤嚥や嘔吐時の対応
  • 定期交換を行う医療機関

夜間に注入が必要な場合は、24時間の看護・医療対応が必要になる可能性があります。


たん吸引

自力でたんを出せない方に対し、吸引器を使ってたんを取り除く処置です。

受け入れ判断では、次の内容が重要です。

  • 吸引箇所
  • 1日の回数
  • 夜間の必要性
  • 緊急性
  • 気管切開の有無
  • 酸素使用の有無
  • 研修修了職員の配置

回数が多い場合や夜間も頻繁に必要な場合は、24時間看護師配置の施設や介護医療院などが候補になります。


インスリン注射・血糖測定

糖尿病の方で、インスリン注射や血糖測定が必要な場合があります。

確認する内容は次のとおりです。

  • 注射回数
  • 注射時間
  • 食前・食後の指定
  • 本人による自己注射が可能か
  • 低血糖時の対応
  • 看護師不在時間帯と重ならないか
  • 食事療法への対応

朝夕や毎食前など、看護師の勤務時間外に注射が必要な場合は、受け入れ可能な施設が限られることがあります。


在宅酸素療法

在宅酸素療法は、慢性呼吸器疾患や心疾患などにより酸素投与が必要な方が利用します。

確認するポイントは次のとおりです。

  • 酸素流量
  • 常時使用か必要時のみか
  • 酸素濃縮器・ボンベの管理
  • 火気管理
  • 呼吸状態悪化時の対応
  • 夜間の観察
  • 通院先または訪問診療

病状が安定し、本人が機器を外さない場合は、対応できる施設が比較的見つかりやすいことがあります。


ストーマ

人工肛門・人工膀胱の管理が必要な方も、状態が安定していれば受け入れ可能な施設があります。

確認する内容は次のとおりです。

  • 本人が交換できるか
  • 職員の介助が必要か
  • 皮膚トラブルの有無
  • 漏れが多いか
  • 装具交換の頻度
  • 訪問看護の利用

尿道カテーテル

尿道カテーテルを使用している場合、排尿量、尿の色、閉塞、感染症などの観察が必要です。

定期交換を行う医療機関や訪問診療との連携も確認します。


人工透析

人工透析そのものは、通常は外部の透析医療機関で受けます。

施設選びでは次の点が重要です。

  • 透析医療機関までの距離
  • 週3回程度の送迎方法
  • 施設送迎の有無
  • 透析病院による送迎の有無
  • 家族の付き添いが必要か
  • 透析後の体調管理
  • 食事・水分制限への対応
  • 送迎費用

施設が人工透析に「対応」としていても、送迎や付き添いが基本料金に含まれるとは限りません。


中心静脈栄養・点滴

中心静脈栄養や継続的な点滴は、感染管理や医療的な観察が必要です。

一般的な老人ホームでは受け入れ先が限られ、24時間看護師配置の住宅型有料老人ホーム、ホスピス型住宅、介護医療院などが候補になります。


気管切開

気管切開がある場合は、たん吸引、呼吸状態の観察、カニューレ管理、緊急時対応が必要です。

吸引頻度や人工呼吸器の使用状況によって、受け入れ可能な施設が大きく限られます。


人工呼吸器

人工呼吸器を使用している方は、24時間の看護体制、停電対策、機器トラブルへの対応、医師や訪問看護との連携が必要です。

ALSなどの神経難病に対応する専門性の高い施設が候補になります。


褥瘡

褥瘡、いわゆる床ずれがある場合は、処置だけでなく、体位交換、栄養管理、除圧マット、清潔保持が重要です。

褥瘡の深さ、感染の有無、処置回数によって受け入れ可否が変わります。


第4章 病気・状態別の医療対応老人ホーム選び

がん

がんの方は、治療段階、痛み、食事、点滴、酸素、麻薬の使用、通院、終末期かどうかによって必要な施設が異なります。

看取りを希望する場合は、次を確認してください。

  • 訪問診療の頻度
  • 夜間・休日の医師への連絡体制
  • 医療用麻薬への対応
  • 痛みや呼吸苦への対応
  • 家族の宿泊
  • 看取り実績
  • 救急搬送を希望するか
  • 本人の意思確認

パーキンソン病

パーキンソン病では、服薬時間の厳密な管理、転倒予防、嚥下、排せつ、姿勢保持などが重要です。

確認するポイントは次のとおりです。

  • 指定時間の服薬対応
  • リハビリ
  • 転倒予防
  • 嚥下評価
  • オン・オフ症状への理解
  • 訪問神経内科との連携
  • 将来の胃ろうや吸引への対応

ALS・神経難病

ALSなどの進行性神経難病では、たん吸引、経管栄養、人工呼吸器、意思伝達支援などが必要になることがあります。

現在だけでなく、病気が進行した後も住み続けられるかを確認することが重要です。


脳梗塞・脳出血の後遺症

脳血管疾患の後遺症では、片麻痺、失語症、嚥下障害、高次脳機能障害、経管栄養などが見られることがあります。

リハビリだけでなく、移乗、食事、排せつ、コミュニケーションへの支援体制を確認しましょう。


心不全・呼吸器疾患

慢性心不全、COPD、間質性肺炎などでは、酸素、呼吸状態、浮腫、体重、水分量などの管理が必要です。

体調悪化時に、救急搬送を行うのか、施設内で療養を続けるのかについても事前に話し合います。


認知症と医療処置がある場合

認知症の方が医療機器を外す、胃ろうチューブを自己抜去する、酸素カニューラを嫌がるなどの行動があると、受け入れが難しくなることがあります。

認知症ケアと医療対応の両方に実績がある施設を選ぶ必要があります。


第5章 24時間看護師常駐の老人ホームとは

24時間看護とオンコールは違う

「24時間看護対応」という表現には注意が必要です。

主に次の3つがあります。

24時間看護師常駐

昼夜を問わず、看護師が施設内に勤務しています。

夜間の医療処置や急変対応が必要な方に向いています。

夜間オンコール

夜間は看護師が施設外にいて、電話連絡を受け、必要に応じて指示や出勤をします。

看護師が常に施設内にいるわけではありません。

訪問看護による24時間連絡体制

訪問看護事業所と契約し、緊急時の電話相談や必要時訪問を受ける仕組みです。

これも、施設内に看護師が常駐している状態とは異なります。


24時間看護が向いている方

  • 夜間もたん吸引が必要
  • 夜間にインスリン注射が必要
  • 人工呼吸器を使用している
  • 気管切開がある
  • 中心静脈栄養を行っている
  • 急変リスクが高い
  • 終末期で症状変化が予想される
  • 頻繁な医療観察が必要

ただし、24時間看護師常駐でも、すべての処置を必ず受けられるとは限りません。

入居前に診療情報を提出し、施設の看護師や医師による受け入れ判定を受けます。


第6章 医療対応老人ホームの費用

医療対応老人ホームの費用は、次の項目で構成されます。

  • 入居一時金・敷金
  • 家賃
  • 管理費
  • 食費
  • 介護保険自己負担
  • 医療保険自己負担
  • 訪問看護費
  • 訪問診療費
  • 薬代
  • 医療材料費
  • おむつ代
  • 通院付き添い費
  • 透析送迎費
  • 保険外介護費
  • 居室電気代
  • リネン・洗濯費

施設別の費用目安

施設の種類入居時費用の目安月額費用の目安
介護付き有料老人ホーム0円~数千万円18万~45万円程度
住宅型有料老人ホーム0円~数百万円15万~35万円程度
医療対応型サ高住0円~数十万円15万~35万円程度
ホスピス型住宅0円~数十万円15万~35万円程度
介護医療院原則大きな入居金なし8万~20万円程度
介護老人保健施設原則大きな入居金なし8万~15万円程度
特別養護老人ホーム原則大きな入居金なし6万~18万円程度

上記は一般的な目安であり、地域、居室、所得、要介護度、医療内容、保険負担割合によって異なります。

特に民間施設では、基本料金が安く見えても、訪問看護、保険外介護、医療材料、通院支援などが加わることがあります。

必ず、本人の医療処置を伝えたうえで月額総額を確認してください。


第7章 医療対応老人ホームへの入居を断られる理由

医療処置の回数が多い

同じたん吸引やインスリンでも、1日1回と頻回では必要な人員が異なります。

夜間対応が必要な場合は、日中のみ看護師勤務の施設では対応できないことがあります。


病状が安定していない

発熱、呼吸状態、血圧、意識状態などが不安定で、頻繁な検査や治療が必要な場合は、老人ホームではなく病院での治療が必要と判断されることがあります。


医療機器の自己抜去リスクが高い

認知症やせん妄により、胃ろう、点滴、酸素、カテーテルなどを外してしまう場合、安全管理が難しいと判断されることがあります。


夜間の看護師がいない

施設が日中の医療処置には対応できても、夜間に処置が必要な方は受け入れられない場合があります。


協力医療機関で対応できない

専門的な疾患、頻繁な通院、遠方の病院への通院などが必要な場合、施設の医療連携だけでは対応できないことがあります。


人工透析の送迎を確保できない

人工透析へ通える状態でも、週数回の送迎や付き添いを確保できないため入居が難しくなる場合があります。


必要な情報が不足している

施設の入居審査では、次の書類が必要になることがあります。

  • 診療情報提供書
  • 看護サマリー
  • 退院時サマリー
  • 服薬情報
  • 健康診断書
  • 医療処置の指示書
  • ケアプラン
  • ADL情報
  • 感染症検査
  • 認知症・精神症状の記録

病状や医療行為を正確に伝えることで、入居後のトラブルや早期退去を防げます。


第8章 後悔しない医療対応老人ホームの選び方

対応可能かではなく実績を聞く

「胃ろう対応可能ですか」という質問だけでなく、次のように聞きましょう。

  • 現在、同じ医療処置の入居者は何人いるか
  • 過去に受け入れた実績はあるか
  • 夜間も対応しているか
  • 急変した場合の対応手順
  • 看取りまで対応した実績
  • どの状態になると退去が必要か

看護師の勤務体制を確認する

  • 24時間常駐か
  • 日中のみか
  • 夜間オンコールか
  • 訪問看護か
  • 看護師は何人いるか
  • 夜間最少人数
  • 土日・祝日の体制
  • 欠勤時の代替体制

医師との連携を確認する

  • 訪問診療の頻度
  • 夜間・休日の連絡方法
  • 主治医を継続できるか
  • 専門医との連携
  • 緊急時の往診
  • 看取り時の対応
  • 死亡確認の体制

通院支援を確認する

  • 施設による送迎の有無
  • 職員の付き添い
  • 家族の付き添いが必要か
  • 付き添い料金
  • 救急搬送時の同行
  • 入院中の居室料金
  • 入院期間による退去条件

看取り方針を確認する

看取り対応と案内している施設でも、対応内容は異なります。

  • 本人・家族の意思確認
  • 救急搬送の方針
  • 心肺蘇生の希望
  • 苦痛緩和
  • 家族の面会・宿泊
  • 医師の死亡確認
  • エンゼルケア
  • 死後事務
  • 葬儀社への連絡
  • 遺品・残置物の対応

身元保証人・緊急連絡先を確認する

医療対応が必要な方は、入院、手術、治療方針、費用、退去、死亡後の手続きなどで、連絡先や支援者を求められることがあります。

身寄りがない場合や家族が対応できない場合は、次の支援を検討します。

  • 身元保証
  • 身元引受
  • 緊急連絡先支援
  • 入退院支援
  • 金銭管理
  • 成年後見制度
  • 死後事務委任契約
  • 葬送・納骨支援
  • 残置物処理

成年後見人がいる場合でも、施設が求めるすべての身元保証・緊急対応・死後事務を成年後見人が担えるとは限りません。

役割を整理したうえで、必要な支援を組み合わせることが重要です。


医療対応老人ホームを探す流れ

1.本人の状態を整理する

  • 病名
  • 医療処置
  • 処置回数
  • 実施時間
  • 要介護度
  • 認知症
  • 歩行
  • 食事
  • 排せつ
  • 会話
  • 夜間の状態
  • 通院頻度

2.予算と希望地域を決める

基本料金だけでなく、介護費、医療費、訪問看護、医療材料、通院費を含めた予算を考えます。

3.診療情報を準備する

病院の医療ソーシャルワーカーや看護師に、診療情報提供書や看護サマリーを依頼します。

4.受け入れ可能な施設を絞る

本人の医療処置と施設の看護体制を照合します。

5.施設見学・面談を行う

本人が入院中の場合は、施設担当者が病院へ面談に来ることもあります。

6.入居審査を受ける

医師、看護師、施設長などが、医療・介護面から受け入れを判断します。

7.契約・退院・入居準備を進める

身元保証、薬、医療機器、介護保険、訪問診療などを調整します。


医療対応老人ホームに関するよくある質問

Q1.医療対応老人ホームとは何ですか?

医療処置や継続的な健康管理が必要な高齢者を受け入れられる介護施設や高齢者住宅の総称として使われる言葉です。

法律上、一つの統一された施設種別を指す名称ではありません。


Q2.24時間看護師がいる老人ホームはありますか?

あります。

介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、ホスピス型住宅などの一部で、24時間看護師を配置しています。


Q3.24時間看護対応と24時間看護師常駐は同じですか?

必ずしも同じではありません。

オンコールや訪問看護の緊急連絡体制を含めて「24時間対応」と表現している場合があります。


Q4.胃ろうでも老人ホームへ入れますか?

受け入れ可能な施設があります。

注入回数、時間帯、本人の状態、看護師や研修修了職員の配置によって判断されます。


Q5.たん吸引が必要でも入居できますか?

対応施設はあります。

吸引回数、夜間対応、気管切開、酸素、人工呼吸器の有無などで候補が変わります。


Q6.インスリン注射が必要でも入居できますか?

対応施設はあります。

注射時間と看護師の勤務時間が合うか、低血糖時に対応できるかを確認してください。


Q7.人工透析を受けていても入居できますか?

入居可能な施設があります。

透析病院までの送迎、付き添い、費用、透析後の体調管理を確認する必要があります。


Q8.在宅酸素でも老人ホームに入れますか?

病状が安定していれば、受け入れる施設があります。

酸素流量、使用時間、認知症による自己抜去、緊急時対応などを確認します。


Q9.ストーマがあっても入居できますか?

対応施設はあります。

本人による管理が可能か、職員や訪問看護による支援が必要かで判断されます。


Q10.人工呼吸器でも入居できますか?

対応施設は限られますが、難病対応型や24時間看護体制の施設で受け入れられる場合があります。


Q11.がんの終末期でも入居できますか?

ホスピス型住宅、看取り対応の有料老人ホーム、介護医療院などが候補です。

訪問診療、医療用麻薬、夜間対応、看取り実績を確認してください。


Q12.病院からすぐ退院するよう言われています。早く探せますか?

空室、本人の状態、書類の準備、入居審査によります。

退院期限がある場合は、病院の医療ソーシャルワーカーと施設紹介窓口へ早めに相談してください。


Q13.介護医療院と老人ホームの違いは何ですか?

介護医療院は、長期療養が必要な要介護者へ医学的管理、看護、介護、生活支援を提供する介護保険施設です。

有料老人ホームは民間運営が中心で、施設によって医療体制や費用が異なります。


Q14.老健にずっと入居できますか?

老健は在宅復帰や次の生活場所への移行を支援する施設であり、原則として終身入居を目的とした施設ではありません。


Q15.医療対応老人ホームの費用はいくらですか?

民間施設では月額15万~40万円以上になる場合があります。

介護医療院などの介護保険施設は所得や居室形態などによって異なります。


Q16.年金だけで医療対応施設へ入れますか?

年金額、預貯金、要介護度、医療処置、施設費用によります。

介護医療院、特養、低価格帯の住宅型有料老人ホームなどを含めて検討します。


Q17.身元保証人がいなくても入居できますか?

施設によって異なります。

身元保証、緊急連絡先、成年後見、死後事務などを組み合わせることで入居できる場合があります。


Q18.入居後に医療処置が増えたら退去になりますか?

施設の看護体制や契約条件によります。

将来、胃ろう、吸引、酸素、看取りなどが必要になった場合も住み続けられるか、契約前に確認してください。


Q19.医療対応と書かれていれば安心ですか?

表記だけでは判断できません。

対応できる医療行為、回数、時間帯、看護師配置、緊急時対応、退去条件を具体的に確認する必要があります。


Q20.医療対応施設は誰に相談すればよいですか?

病院の医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、地域包括支援センター、老人ホーム紹介窓口などへ相談できます。

地域包括支援センターは、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などを配置し、高齢者や家族を包括的に支援する地域の相談窓口です。


まとめ|医療対応老人ホームは病名ではなく処置内容と時間帯で選ぶ

医療対応老人ホームとは、医療処置や継続的な健康管理が必要な高齢者を受け入れる介護施設・高齢者住宅の総称です。

主な候補は次のとおりです。

  • 24時間看護師配置の介護付き有料老人ホーム
  • 訪問看護と連携する住宅型有料老人ホーム
  • 医療対応型サ高住
  • 介護医療院
  • 介護老人保健施設
  • 医療連携型の特別養護老人ホーム
  • ホスピス型・緩和ケア対応型住宅

施設選びでは、病名だけでなく、次の内容を整理することが重要です。

  • 医療行為の種類
  • 1日の処置回数
  • 処置が必要な時間帯
  • 夜間対応
  • 病状の安定性
  • 看護師の配置
  • 訪問診療
  • 緊急時対応
  • 通院・送迎
  • 看取り
  • 退去条件
  • 月額総費用
  • 身元保証人の有無

「医療対応可能」という案内だけで決めるのではなく、本人と同じ医療処置を受け入れた実績があるか、夜間も対応できるか、状態が変化した後も暮らし続けられるかを確認しましょう。


医療対応老人ホームをお探しの方へ

一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、病院からの退院後も医療や介護が必要な方に対し、状態やご希望に合った老人ホーム探しを支援しています。

次のようなご相談に対応しています。

  • 胃ろうに対応できる老人ホームを探したい
  • 夜間のたん吸引が必要
  • インスリン注射に対応する施設を探したい
  • 人工透析へ通える施設を探したい
  • 在宅酸素やストーマがある
  • パーキンソン病やALSに対応する施設を探したい
  • がんの終末期を穏やかに過ごせる施設を探したい
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という段階でもご相談いただけます。

医療対応が必要な方の施設探しは、一般的な老人ホーム探しよりも候補が限られることがあります。

退院直前になって慌てないためにも、早めに本人の医療情報、希望地域、予算、身元保証の状況を整理しておきましょう。



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不動産売却→施設→身元保証 ワンストップ

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