認知症の方が入れる老人ホームは?施設の種類・費用・選び方・入居拒否への対応を徹底解説

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目次


認知症の方が入れる老人ホームは?施設の種類・費用・選び方・入居拒否への対応を徹底解説

「認知症の親を受け入れてくれる老人ホームはありますか」

「徘徊や夜間の不眠があっても入居できますか」

「本人が老人ホームへの入居を拒否していて困っています」

認知症のあるご家族の老人ホーム探しでは、施設の空室や費用だけでなく、認知症の症状、必要な介護、医療対応、本人の意思、家族の負担など、多くの条件を整理する必要があります。

結論からいうと、認知症の方が入れる老人ホームや介護施設はあります。

主な候補は、次の施設です。

  • グループホーム
  • 介護付き有料老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 認知症対応可能な住宅型有料老人ホーム
  • 認知症対応可能なサービス付き高齢者向け住宅
  • 介護医療院
  • 介護老人保健施設

ただし、「認知症対応」と案内している施設でも、すべての症状や医療状態を受け入れられるわけではありません。

施設が確認するのは、認知症という診断名だけではなく、徘徊、帰宅願望、介護拒否、暴言・暴力、昼夜逆転、異食、妄想、幻覚などの具体的な症状です。

また、歩行状態、排せつ、食事、服薬、持病、医療処置、夜間の見守り、他の入居者との共同生活が可能かどうかも、受け入れ判断に影響します。

認知症の症状は、記憶障害、見当識障害、理解力・判断力の低下などの中核症状と、不安、妄想、幻覚、不眠、興奮などの行動・心理症状に分けて考えられます。症状の現れ方や必要な支援は一人ひとり異なります。

この記事では、認知症の方が入れる老人ホームの種類、施設ごとの違い、症状別の選び方、費用、入居までの流れ、本人が入居を拒否する場合の対応、施設から断られる主な理由まで詳しく解説します。

老人ホームの種類や費用、施設見学、入居までの全体像を確認したい方は、親記事の「老人ホーム紹介完全ガイド」もあわせてご覧ください。


認知症の方が入れる老人ホームの結論

認知症の方の施設選びでは、次のように考えます。

軽度から中等度で少人数の生活が合う方

グループホーム

家庭的な環境で、少人数の入居者と共同生活を送りながら、認知症ケアを受けます。

日常的な介護や夜間の見守りが必要な方

介護付き有料老人ホーム

施設職員から、食事、入浴、排せつ、移動、見守りなどの介護を包括的に受けられます。

要介護3以上で常時介護が必要な方

特別養護老人ホーム

費用を比較的抑えながら、長期的な介護を受けられる可能性があります。

認知症に加えて医療処置が必要な方

医療対応型有料老人ホーム・介護医療院など

看護師の配置、訪問診療、訪問看護、医療処置の受け入れ状況を確認します。

病院退院後にリハビリや次の住まい探しが必要な方

介護老人保健施設

在宅復帰や次の生活場所への移行を目指し、介護とリハビリを受けます。

重要なのは、認知症の重さだけで施設を決めないことです。

同じ認知症でも、穏やかに生活できている方と、夜間に外へ出ようとする方、医療処置が必要な方では、適する施設が異なります。


第1章 認知症とはどのような状態?

認知症は単なる物忘れではない

加齢による物忘れと認知症は同じではありません。

加齢による物忘れでは、体験した出来事の一部を忘れても、きっかけがあれば思い出せることがあります。

一方、認知症では、出来事そのものを忘れる、時間や場所が分からなくなる、金銭管理や手続きが難しくなるなど、日常生活に支障が生じます。

国立精神・神経医療研究センターは、認知症の中核症状として、記憶障害、見当識障害、理解力・判断力の低下、仕事や家事などの遂行困難を挙げています。


認知症の主な中核症状

記憶障害

  • 同じことを何度も聞く
  • 食事をしたことを忘れる
  • 約束を忘れる
  • 物を置いた場所が分からなくなる
  • 同じ物を何度も購入する

見当識障害

  • 日付や曜日が分からない
  • 自宅の場所が分からない
  • 家族を別の人と間違える
  • 季節に合わない服装をする
  • 慣れた道で迷う

理解力・判断力の低下

  • 契約内容を理解できない
  • お金の管理が難しい
  • 詐欺や悪質商法に気付きにくい
  • 火や電化製品の扱いを誤る
  • 道路を安全に渡れない

遂行機能の低下

  • 料理の手順が分からない
  • 薬を正しく飲めない
  • 掃除や洗濯を進められない
  • 複数の作業を順序よく行えない

行動・心理症状とは

認知症の方には、環境、体調、不安、周囲の接し方などの影響を受けて、次のような行動・心理症状が現れることがあります。

  • 徘徊
  • 帰宅願望
  • 妄想
  • 幻覚
  • 不安
  • 抑うつ
  • 不眠
  • 昼夜逆転
  • 暴言
  • 暴力
  • 介護拒否
  • 大声
  • 異食
  • 物を集める
  • 排せつに関する行動

行動・心理症状は、本人の性格だけが原因ではありません。

痛み、便秘、感染症、脱水、薬の影響、騒音、急な環境変化、説明不足などが関係する場合があります。

施設選びでは、「徘徊あり」「暴言あり」とだけ伝えるのではなく、いつ、どのような状況で、どの程度起きるのかを具体的に伝えることが重要です。


第2章 認知症の方が入れる老人ホームの種類

グループホーム

グループホームの正式名称は「認知症対応型共同生活介護」です。

認知症の利用者が、家庭的な環境の中で、介護職員の支援を受けながら少人数で共同生活を送ります。

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、グループホームを、認知症の利用者へ専門的ケアを提供し、1つの共同生活住居で5~9人が生活する地域密着型サービスと説明しています。

主な入居条件

  • 医師から認知症と診断されている
  • 要支援2または要介護1以上
  • 原則として施設のある市区町村に住民票がある
  • 少人数での共同生活が可能
  • 施設で対応できない常時医療管理を必要としない

グループホームのメリット

  • 認知症ケアを中心にしている
  • 少人数で環境変化が比較的少ない
  • 職員や他の入居者との関係を築きやすい
  • 料理や掃除など、できることを生活の中で続けやすい
  • 家庭的な雰囲気で暮らせる

注意点

グループホームは、認知症の方なら誰でも入れるわけではありません。

他の入居者との共同生活が難しい場合、頻繁な医療処置が必要な場合、長期入院が必要になった場合などは、入居できなかったり、入居後に住み替えが必要になったりすることがあります。

施設によって、看取り、医療連携、重度化対応、退去条件が異なります。介護サービス情報公表システムでは、看取り介護や認知症専門ケア加算の有無、協力医療機関、利用条件、退居条件などを確認できます。


介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、施設の介護職員から日常的な介護を受けながら暮らす民間施設です。

食事、入浴、排せつ、移動、服薬、見守りなどの支援が、施設の介護サービスとして提供されます。

向いている方

  • 認知症に加えて身体介護が必要
  • 夜間の見守りが必要
  • 排せつや入浴の介助が必要
  • 将来の介護度上昇に備えたい
  • 長期的に暮らせる施設を探している

メリット

  • 24時間介護職員が配置される
  • 認知症対応フロアを設ける施設がある
  • 看護師や協力医療機関と連携する施設がある
  • 看取りに対応する施設がある
  • 要介護度が上がっても住み続けられる可能性がある

注意点

「認知症対応可能」という案内だけで判断してはいけません。

確認すべき内容は、次のとおりです。

  • 徘徊への対応
  • 帰宅願望への対応
  • 夜間の職員数
  • 暴言・暴力への対応
  • 介護拒否への対応
  • 精神科や認知症専門医との連携
  • 看護師の勤務時間
  • 看取り対応
  • 退去条件
  • 追加費用

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム、通称「特養」は、原則として要介護3以上で、自宅での生活が難しい方を対象とする介護保険施設です。

認知症が進行し、常時介護が必要な方の長期的な生活場所として候補になります。

向いている方

  • 要介護3以上
  • 自宅での介護が困難
  • 認知症と身体介護の両方が必要
  • 費用を比較的抑えたい
  • 長期入所を希望している

メリット

  • 高額な入居一時金が原則不要
  • 24時間介護を受けられる
  • 長期的な生活を前提にできる
  • 所得に応じた費用軽減制度がある
  • 看取りに対応する施設がある

注意点

希望すればすぐに入れるとは限りません。

入所の必要性、介護度、認知症の状態、家族の介護力、住環境などを踏まえて、優先順位が判断されます。

また、頻繁な医療処置や高度な医療管理が必要な場合は、受け入れが難しいことがあります。


住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、食事、見守り、生活相談などを受けながら暮らし、介護が必要な場合は訪問介護や訪問看護を個別に利用する施設です。

向いている方

  • 必要な介護サービスを個別に利用したい
  • 認知症はあるが、施設で対応可能な状態
  • 訪問看護や訪問診療を利用したい
  • 比較的自由な生活を希望している

注意点

月額基本料金とは別に、介護サービス費や医療費が加わります。

認知症の進行によって介護量が増えると、介護保険の限度額を超えた保険外サービス費が必要になる場合があります。

認知症対応の実態は施設ごとに大きく異なります。


サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」は、安否確認と生活相談サービスが付いた高齢者向け賃貸住宅です。

比較的自立度の高い認知症の方や、軽度の介護が必要な方が候補になる場合があります。

注意点

サ高住の基本サービスは、安否確認と生活相談です。

認知症の見守り、夜間介護、徘徊対応、服薬管理などが当然に含まれるわけではありません。

施設によっては認知症が進行した場合、住み続けることが難しくなることがあります。


介護医療院

介護医療院は、長期的な医療と介護の両方が必要な要介護者のための施設です。

向いている方

  • 認知症に加えて医療管理が必要
  • 経管栄養や喀痰吸引などが必要
  • 長期療養を必要としている
  • 病院から退院を求められている
  • 看取りを含む生活場所を探している

認知症だけでなく、医療依存度も高い方の候補になります。


介護老人保健施設

介護老人保健施設、通称「老健」は、病院退院後などにリハビリや介護を受けながら、在宅復帰や次の住まいへの移行を目指す施設です。

向いている方

  • 入院後すぐ自宅へ戻るのが難しい
  • 身体機能の回復を目指したい
  • 次の老人ホームを探す時間が必要
  • 家族が在宅介護の準備をしたい

老健は原則として終身の生活施設ではないため、入所中から次の住まいを探す必要があります。


第3章 認知症の症状別に考える施設選び

物忘れが中心で身体は自立している

物忘れや金銭管理の難しさはあるものの、食事、排せつ、歩行などが自立している方は、次の施設が候補です。

  • グループホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 認知症対応可能なサ高住
  • 介護付き有料老人ホーム

自由度だけでなく、服薬管理、外出管理、夜間の見守り体制を確認しましょう。


徘徊・帰宅願望がある

徘徊や帰宅願望がある場合は、建物の安全性だけでなく、職員がどのように対応するかが重要です。

確認するポイントは次のとおりです。

  • 出入口の安全管理
  • エレベーターの管理
  • 屋内外を安全に歩ける環境
  • 見守りセンサー
  • 夜間の職員配置
  • 外出支援
  • 帰宅願望への声掛け
  • 行方不明時の対応手順

単に鍵を掛けるだけでなく、本人の不安や「家へ帰らなければならない」という気持ちを理解して対応できる施設が望まれます。


昼夜逆転や夜間不眠がある

夜間に眠れず、歩き回る、大声を出す、家族を起こすなどの状態がある場合、夜間職員数が重要です。

「24時間職員がいる」という説明だけでなく、夜間に何人の職員が何人の入居者を担当するのか確認しましょう。

また、昼間の活動量、昼寝、薬、痛み、排せつ、室温などが夜間不眠へ影響することもあります。


暴言・暴力がある

暴言や暴力がある場合でも、すべての施設で入居を断られるとは限りません。

次の情報を整理して伝えてください。

  • 誰に対して起きるか
  • 何をされると起きるか
  • 頻度
  • 時間帯
  • けがにつながったことがあるか
  • 落ち着く対応方法
  • 薬の使用状況
  • 精神科・認知症専門医への受診状況

介護の方法や環境調整によって症状が軽減する場合がありますが、他の入居者や職員への重大な危険がある場合は、受け入れが難しくなることがあります。


介護拒否がある

入浴、着替え、服薬、排せつ介助などを拒否する方には、無理に介護を進めるのではなく、本人が拒否する理由を考えることが重要です。

  • 怖い
  • 痛い
  • 説明を理解できない
  • 知らない人に触られたくない
  • 急かされている
  • 恥ずかしい
  • 眠い
  • 体調が悪い

認知症ケアの経験がある施設か、本人に合わせた時間帯や職員で対応できるかを確認しましょう。


妄想・幻覚がある

「財布を盗まれた」「家族が自分を捨てた」「知らない人が部屋にいる」といった妄想や幻覚が現れることがあります。

妄想や幻覚が強い場合は、認知症の種類、薬の影響、精神疾患、せん妄などを医師に確認する必要があります。

施設選びでは、精神科、認知症専門医、訪問診療との連携を確認してください。


異食や食事の問題がある

食べ物ではない物を口に入れる異食、食事をしたことを忘れて繰り返し求める、飲み込みが難しいなどの問題がある場合は、見守りと食事支援が必要です。

確認する内容は次のとおりです。

  • 食事中の職員配置
  • 刻み食・ミキサー食
  • 嚥下評価
  • 歯科・言語聴覚士との連携
  • 誤嚥時の対応
  • 異食防止の環境整備

第4章 認知症の方の老人ホーム費用

認知症の方の老人ホーム費用も、基本的には次の2つに分かれます。

  • 入居時費用
  • 月額費用

施設別の費用目安

施設の種類入居時費用の目安月額費用の目安
グループホーム0円~30万円程度10万~20万円程度
介護付き有料老人ホーム0円~数千万円15万~40万円程度
住宅型有料老人ホーム0円~数百万円12万~30万円程度
サ高住0円~数十万円程度10万~30万円程度
特別養護老人ホーム原則不要5万~15万円程度
介護老人保健施設原則不要8万~14万円程度
介護医療院原則不要8万~18万円程度

実際の費用は、施設、地域、居室タイプ、所得、要介護度などによって異なります。


認知症だから一律に高くなるわけではない

認知症の診断だけで、一律の追加料金が発生するわけではありません。

ただし、次のサービスが増えると、結果的に費用が高くなる可能性があります。

  • 個別見守り
  • 保険外介護
  • 通院付き添い
  • 精神科受診
  • 訪問看護
  • おむつ
  • センサー利用
  • 個別外出支援
  • 医療費・薬代

施設の基本料金だけでなく、本人の状態を前提にした月額総額を確認してください。


第5章 認知症の親を老人ホームへ入れるタイミング

一人暮らしの安全を保てなくなった

次の状態が増えた場合は、住まいの見直しを検討する時期です。

  • 火の消し忘れ
  • 薬の飲み忘れ
  • 食事を取らない
  • 腐った物を食べる
  • 道に迷う
  • 金銭管理ができない
  • 詐欺被害
  • 夜間に外出する
  • 転倒を繰り返す

家族の介護が限界に近づいた

家族が次の状態になっている場合は、早めに相談してください。

  • 睡眠不足
  • 仕事を休むことが増えた
  • 家族関係が悪化した
  • 怒鳴ってしまう
  • 身体介護が難しい
  • 介護者が病気になった
  • 介護による経済負担が大きい

家族が倒れてからでは、短期間で施設を決めなければならなくなります。


入院や退院をきっかけに在宅生活が難しくなった

骨折、肺炎、脳梗塞などの入院をきっかけに、認知症症状や身体機能が変化することがあります。

退院期限が決まっている場合は、病院の医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、老人ホーム紹介窓口などへ早めに相談しましょう。


第6章 本人が老人ホームへの入居を拒否する場合

本人の不安を否定しない

老人ホームへの入居を拒否する背景には、次のような気持ちがあります。

  • 家を取られる
  • 家族に捨てられる
  • 知らない場所が怖い
  • 自分は困っていない
  • 病気だと認めたくない
  • 自由を失いたくない
  • お金が心配
  • ペットや近所の人と離れたくない

「もう家では無理」「みんな困っている」と説得すると、本人が責められたと感じ、拒否が強くなることがあります。


「施設」という言葉を強調しすぎない

状況によっては、次のように説明する方が受け入れやすい場合があります。

  • 安心して暮らせる住まいを見に行く
  • 食事や生活を手伝ってもらえる場所
  • リハビリができる場所
  • 短期間試してみる
  • 家族も安心できる住まい

ただし、本人をだまして契約することは避け、本人が理解できる範囲で丁寧に説明する必要があります。


見学・体験入居・ショートステイを活用する

いきなり入居を決めず、次の方法を使うと受け入れやすくなる場合があります。

  • 施設見学
  • 食事体験
  • デイサービス
  • ショートステイ
  • 体験入居
  • 本人が信頼する医師やケアマネからの説明

本人が施設の雰囲気や職員を知ることで、不安が軽減する可能性があります。


第7章 認知症の方が施設から入居を断られる主な理由

施設で対応できない医療処置がある

  • 頻回な喀痰吸引
  • 夜間の医療処置
  • 不安定な病状
  • 継続的な点滴
  • 高度な医療管理
  • 感染症

この場合は、医療対応型の施設や介護医療院などを検討します。


他の入居者への危険が高い

継続的な暴力や重大な危険行動があり、施設の人員体制では安全を確保できない場合、受け入れが難しくなることがあります。

受診や薬の調整、環境変更を行ったうえで、受け入れ可能な施設を探します。


共同生活が難しい

グループホームでは、共同生活が可能であることが入居条件の一つです。

大声、他室への頻繁な立ち入り、他人の物を持ち去る行動などが強く、共同生活を維持できないと判断される場合があります。


必要な情報が不足している

家族が症状を軽く伝えたり、重要な医療情報を伝えなかったりすると、施設側は受け入れ判断ができません。

次の資料を準備しましょう。

  • 診療情報提供書
  • 看護サマリー
  • 介護サマリー
  • ケアプラン
  • 服薬情報
  • 認知症診断
  • ADL情報
  • 生活歴
  • 行動・心理症状の記録

第8章 後悔しない認知症老人ホームの選び方

認知症ケアの実績を確認する

施設へ次の質問をしてください。

  • 認知症の入居者は何人いるか
  • どのような症状へ対応した実績があるか
  • 職員研修は行われているか
  • 認知症専門ケア加算を算定しているか
  • 精神科や認知症専門医との連携があるか
  • 行動・心理症状が強くなった場合の対応

職員の接し方を見る

見学では、建物よりも職員と入居者の関係を確認します。

  • 入居者を名前で呼んでいるか
  • 子ども扱いしていないか
  • 本人の話を否定していないか
  • 急かしていないか
  • 職員の表情が険しくないか
  • 入居者が放置されていないか
  • 声掛けが丁寧か

認知症ケアでは、安心できる関係づくりが非常に重要です。


夜間体制を確認する

昼間は職員が多くても、夜間は少人数になります。

  • 夜勤者数
  • 夜間の入居者数
  • 看護師の有無
  • 夜間の徘徊対応
  • 転倒時の対応
  • 緊急搬送
  • オンコール体制

を確認しましょう。


退去条件を確認する

認知症の進行、長期入院、医療依存度の上昇などにより、退去を求められる場合があります。

契約前に、次の状態で住み続けられるか確認します。

  • 要介護5
  • 寝たきり
  • 経管栄養
  • 喀痰吸引
  • 看取り
  • 暴言・暴力
  • 長期入院
  • 精神科入院

認知症の老人ホームに関するよくある質問

Q1.認知症でも老人ホームに入れますか?

入れます。

グループホーム、介護付き有料老人ホーム、特養、認知症対応可能な住宅型有料老人ホームなどが候補です。


Q2.認知症なら必ずグループホームがよいですか?

必ずしもそうではありません。

共同生活が合うか、医療処置が必要か、身体介護がどの程度必要かによって、介護付き有料老人ホームや特養などが適する場合があります。


Q3.軽度認知症でも施設へ入れますか?

施設の入居条件を満たせば入居できます。

比較的自立している場合は、グループホーム、住宅型有料老人ホーム、サ高住などが候補になります。


Q4.徘徊があっても入居できますか?

受け入れ可能な施設はあります。

出入口管理、夜間体制、職員配置、見守り方法を確認してください。


Q5.暴言や暴力があると断られますか?

症状の程度や頻度によります。

他の入居者や職員の安全を確保できない場合は、断られることがあります。専門医への受診や薬の調整が必要になる場合もあります。


Q6.認知症で要介護1でも特養へ入れますか?

特養の新規入所は原則要介護3以上です。

ただし、認知症や家族状況などにより在宅生活が著しく困難な場合、要介護1・2でも特例入所が認められる可能性があります。


Q7.グループホームは要支援1でも入れますか?

原則として入居できません。

グループホームは要支援2または要介護1以上で、認知症の診断がある方が対象です。


Q8.認知症の老人ホーム費用はいくらですか?

施設によって異なります。

グループホームは月額10万~20万円程度、介護付き有料老人ホームは15万~40万円程度が一つの目安ですが、介護費や医療費などが別途必要になる場合があります。


Q9.年金だけで認知症対応施設へ入れますか?

年金額と施設費用によります。

特養、ケアハウス、低価格帯のグループホーム、有料老人ホーム、生活保護対応施設などを検討します。


Q10.本人が入居を拒否していても契約できますか?

本人の判断能力や契約内容によります。

本人の意思確認が必要であり、家族だけで本人名義の契約を自由に行えるとは限りません。成年後見制度などが必要になる場合があります。


Q11.身元保証人がいなくても入れますか?

施設によって対応が異なります。

身元保証、緊急連絡先支援、成年後見、死後事務委任などを組み合わせる方法があります。


Q12.認知症が進行すると退去になりますか?

施設の対応範囲によります。

介護度上昇、医療依存度、暴力、長期入院などにより住み替えが必要になる場合があります。


Q13.夫婦で入居できますか?

夫婦部屋のある有料老人ホームやサ高住があります。

ただし、一方の認知症や介護度が高い場合、同じ施設・同じ居室で生活できないことがあります。


Q14.認知症の診断書は必要ですか?

グループホームでは、認知症の診断を確認できる書類が必要です。

他の施設でも、診療情報提供書や健康診断書などを求められることがあります。


Q15.施設を何か所見学すればよいですか?

可能であれば2~3施設以上を比較しましょう。

認知症ケアの考え方、職員の接し方、夜間体制、退去条件などは施設ごとに異なります。


Q16.急いで認知症対応施設を探すことはできますか?

空室があり、本人の状態を受け入れられる施設であれば、早期入居できる可能性があります。

診療情報、本人面談、入居審査、身元保証などの準備が必要です。


まとめ|認知症の施設選びは診断名ではなく生活全体を見る

認知症の方が入れる老人ホームはあります。

主な候補は次のとおりです。

  • グループホーム
  • 介護付き有料老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • 介護医療院
  • 介護老人保健施設

ただし、認知症という診断名だけで最適な施設を判断することはできません。

施設選びでは、次の内容を整理する必要があります。

  • 認知症の種類と症状
  • 徘徊や帰宅願望
  • 暴言・暴力
  • 昼夜逆転
  • 介護拒否
  • 歩行・排せつ・食事
  • 医療処置
  • 夜間の見守り
  • 要介護度
  • 予算
  • 希望地域
  • 家族の支援状況
  • 身元保証人の有無

建物の新しさや料金の安さだけで決めると、入居後に認知症の症状へ対応できず、住み替えが必要になる可能性があります。

大切なのは、本人が安心できる環境、職員の接し方、認知症ケアの経験、医療・介護体制、将来の重度化への対応まで確認することです。


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一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、ご本人の認知症の状態、必要な介護、医療処置、ご予算、ご家族の状況を確認し、条件に合った老人ホーム探しをサポートしています。

次のようなご相談にも対応しています。

  • 認知症の親が一人暮らしをしている
  • 徘徊や帰宅願望がある
  • 夜間の対応が難しい
  • 暴言・暴力があり家族が疲弊している
  • 本人が老人ホームへの入居を拒否している
  • グループホームと有料老人ホームで迷っている
  • 認知症と医療処置の両方に対応できる施設を探したい
  • 年金内で入れる施設を探したい
  • 退院期限が迫っている
  • 身元保証人や緊急連絡先がいない
  • 施設入居後の自宅や空き家も相談したい
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当センターでは、老人ホーム紹介だけでなく、身元保証、緊急連絡先支援、退院支援、死後事務、相続、空き家、不動産に関する相談まで、必要な支援を整理します。

「まだ施設入居を決めていない」

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という段階でも問題ありません。

認知症が進行してから急いで施設を探すと、本人に合う施設を比較する時間が少なくなります。

本人が安心して生活でき、ご家族も無理なく支援を続けられるよう、早めに施設の種類や費用、身元保証などを確認しておきましょう。


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