目次
- 1. 第1章 居住支援法人とは?何をしてくれるところ?
- 2. 第2章 住まいに困ったら、まず何をすればいい?
- 3. 第3章 住宅確保要配慮者とは?
- 4. 第4章 居住支援法人は何をしてくれる?
- 住宅相談・入居支援
- 住宅情報の提供
- 家賃債務保証
- 見守り・安否確認
- 生活支援・福祉サービスへのつなぎ
- 残置物への対応
- 5. 第5章 ケース別|こんなとき居住支援法人へ相談できます
- 高齢者本人の場合
- 家族の場合
- 身寄りがない・保証人を頼める人がいない場合
- ケアマネジャーの場合
- 病院MSW・退院支援担当者の場合
- 6. 第6章 相談から入居後までの流れ
- 7. 第7章 居住支援法人と不動産会社は何が違う?
- 8. 第8章 居住支援法人と居住支援協議会は違う?
- 9. 第9章 「居住サポート住宅」とは?
- 10. 第10章 居住支援法人なら保証人がいなくても家を借りられる?
- 11. 第11章 居住支援法人は無料?
- 12. 第12章 居住支援法人なら老人ホームも紹介してくれる?
- 13. 第13章 東京都で居住支援法人へ相談するには?
- 14. 第14章 東京都社会福祉支援センターの居住支援
- 15. 第15章 支援者からの相談にも対応しています
- 16. 第16章 居住支援で大切なのは「借りられるか」だけではない
- 17. 第17章 まとめ|住まいに困ってからではなく「困りそう」な段階でも相談できます
居住支援法人完全ガイド|高齢者の住まい探し・保証人・見守り・退院後の居住支援
第1章 居住支援法人とは?何をしてくれるところ?
居住支援法人とは、高齢者、低額所得者、障害者など、住まいの確保に特に配慮が必要な「住宅確保要配慮者」が民間賃貸住宅へ円滑に入居できるよう、住宅相談・入居支援・見守りなどを行う法人として都道府県が指定するものです。
「高齢なので部屋が見つからない」
「保証人を頼める人がいない」
「退院後に住む場所がない」
という場合に相談先の一つとなります。
ただし、すべての居住支援法人が同じサービスを提供しているわけではありません。
大切なのは「居住支援法人なら何でもしてくれる」と考えるのではなく、自分が困っている内容に対応している法人を探すことです。
第2章 住まいに困ったら、まず何をすればいい?
最初に、
「なぜ住まいを借りにくいのか」
を整理することが重要です。
例えば、
・高齢である
・保証人を頼める人がいない
・緊急連絡先がいない
・低所得である
・生活保護を利用している
・障害がある
・退院後の住まいがない
・現在の住居を退去する必要がある
・入居後の一人暮らしに不安がある
では、必要な支援が異なります。
物件だけ探せば解決するケースもあれば、家賃債務保証、緊急連絡先、見守り、福祉サービス、生活支援などを一緒に考える必要があるケースもあります。
「部屋探し」だけでなく「住み続けるために何が必要か」まで整理する。
これが居住支援を考えるうえで大切な視点です。
第3章 住宅確保要配慮者とは?
住宅確保要配慮者とは、住宅の確保に特に配慮を必要とする方々です。
代表的には、
・低額所得者
・被災者
・高齢者
・障害者
・子どもを養育している世帯
などが含まれます。
高齢者の場合、
「年齢だけを理由に必ず賃貸住宅を借りられない」
わけではありません。
一方で、大家さんや管理会社側が、
家賃滞納
孤独死
緊急時の対応
認知機能の低下
入居後の生活
死亡後の残置物
などに不安を感じることがあります。
そこで住宅側だけに負担を求めるのではなく、入居希望者と大家さん双方の不安を整理し、住まいにつなげていくことが居住支援では重要になります。
第4章 居住支援法人は何をしてくれる?
居住支援法人の具体的な業務は法人によって異なります。
代表的なものとして、次のような支援があります。
住宅相談・入居支援
「高齢でなかなか部屋が見つからない」
「退院することになったが戻れる家がない」
など、住まいについて相談し、状況に応じた住宅探しを支援します。
住宅情報の提供
住宅確保要配慮者の入居について理解のある住宅や不動産事業者などにつなぐことがあります。
家賃債務保証
居住支援法人の業務には家賃債務保証も位置づけられています。
ただし、すべての居住支援法人が自ら家賃債務保証を行っているとは限りません。
「居住支援法人=必ず保証会社になってくれる」と考えないことが重要です。
見守り・安否確認
高齢者の一人暮らしなどでは、
「何かあったときに誰が気づくのか」
が貸主側・本人側双方の不安になることがあります。
法人によっては入居後の見守りや安否確認等を行っています。
生活支援・福祉サービスへのつなぎ
住まいが決まっても、生活上の問題が解決したとは限りません。
必要に応じて行政、地域包括支援センター、ケアマネジャー、福祉サービスなどとの連携が重要になります。
残置物への対応
2025年10月施行の改正住宅セーフティネット法により、入居者からの委託に基づく残置物処理が居住支援法人の業務に追加されました。
ただし、これも「すべての居住支援法人が自動的に死亡後の家財を処分する」という意味ではありません。
契約内容や法人の業務内容を事前に確認する必要があります。
第5章 ケース別|こんなとき居住支援法人へ相談できます
高齢者本人の場合
「今の家賃を払い続けるのが難しい」
「建物の取り壊しで退去することになった」
「高齢を理由に部屋探しが進まない」
といった段階から相談できます。
まだ物件を決めていなくても構いません。
家族の場合
離れて暮らす親について、
「一人暮らしを続けられるか心配」
「引っ越しをさせたいが、どこから始めればいいか分からない」
という相談も考えられます。
住まいだけでなく、介護や見守り、老人ホームという選択肢まで含めて考えた方がよいケースもあります。
身寄りがない・保証人を頼める人がいない場合
保証人がいないことだけで、すべての賃貸住宅へ入居できないわけではありません。
家賃債務保証会社等を利用できる場合もあります。
一方、
緊急連絡先
入院時の対応
生活支援
死亡後の残置物
など別の課題があることもあります。
「保証人がいない」という言葉だけで終わらせず、実際に何が必要なのかを分けて考えることが大切です。
ケアマネジャーの場合
利用者の住居問題は介護サービスだけでは解決できないことがあります。
「更新や退去で住み替えが必要」
「家賃負担が大きい」
「身寄りがなく次の住まいが見つからない」
というケースでは、居住支援法人への相談も選択肢になります。
病院MSW・退院支援担当者の場合
退院可能な状態になっても、
「帰る家がない」
「以前の住居へ戻れない」
「独居生活が難しい」
というケースがあります。
住まい探しと福祉的な支援を切り離さずに考えることが重要です。
第6章 相談から入居後までの流れ
一般的には、
相談
↓
現在の住居・収入・健康・生活状況等の確認
↓
住まいを借りるうえでの課題整理
↓
必要な支援の整理
↓
住宅・不動産事業者等との調整
↓
入居
↓
必要に応じた見守り・生活支援等
という流れが考えられます。
ただし、具体的な流れや提供サービスは居住支援法人によって異なります。
「部屋だけ紹介してほしい」
という相談だけでなく、
「自分の場合、そもそも何が問題になりそうなのか分からない」
という段階から相談することにも意味があります。
第7章 居住支援法人と不動産会社は何が違う?
不動産会社は、主として住宅の紹介や賃貸借契約の仲介・管理などを担います。
居住支援法人は、住宅確保要配慮者が民間賃貸住宅へ円滑に入居し、生活していくための支援を行います。
重要なのは「どちらか」ではありません。
高齢者等の住まい探しでは、
不動産
+
福祉
+
保証
+
見守り
+
生活支援
の連携が必要になることがあります。
そのため、不動産会社と居住支援法人が連携することにも意味があります。
第8章 居住支援法人と居住支援協議会は違う?
違います。
居住支援法人は、住宅確保要配慮者への居住支援を行う法人として都道府県から指定を受けた法人です。
一方、居住支援協議会は、地方公共団体の住宅部局・福祉部局、不動産関係団体、居住支援団体などが連携し、地域の居住支援体制をつくるための協議体です。
名称が似ていますが、同じものではありません。
第9章 「居住サポート住宅」とは?
2025年10月から、新しい「居住サポート住宅」の認定制度が始まりました。
居住サポート住宅とは、大家さんと居住支援法人等が連携して、
・日常の安否確認
・訪問等による見守り
・生活や心身の状況が不安定になった場合の福祉サービスへのつなぎ
を行う住宅です。
「住宅を確保する」だけでなく、
「入居後も安定して生活できるか」
というところまで住宅政策と福祉政策が連携して支える方向が強くなっています。
高齢者の一人暮らしや、生活上のサポートを必要とする方にとって、今後ますます重要になる制度です。
第10章 居住支援法人なら保証人がいなくても家を借りられる?
「居住支援法人へ相談すれば必ず借りられる」という意味ではありません。
物件ごとに、
家賃
収入
保証会社の審査
緊急連絡先
入居条件
本人の生活状況
などが異なるためです。
しかし、
「保証人がいないから無理」
と最初から諦める必要もありません。
重要なのは、
誰がいないのか
↓
何を求められているのか
↓
どの支援で補える可能性があるのか
を整理することです。
家賃債務保証と身元保証、緊急連絡先は同じものではありません。
ここを混同しないことが重要です。
第11章 居住支援法人は無料?
一律に「無料」とは言えません。
相談自体を無料としている法人もありますが、実際に利用するサービスによって費用が発生する場合があります。
例えば、
家賃債務保証
見守り
生活支援
身元保証
残置物に関する契約
その他のサービス
などです。
また、居住支援法人ごとに提供しているサービス自体が違います。
そのため、契約前には、
「何が無料なのか」
「何に費用がかかるのか」
「一回払いか継続費用か」
「解約条件はどうなっているか」
を確認することが重要です。
第12章 居住支援法人なら老人ホームも紹介してくれる?
すべての居住支援法人が老人ホーム紹介を行っているわけではありません。
居住支援法人制度は、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居等を支援する制度です。
老人ホーム紹介は別のサービスです。
ただし、高齢者の相談では、
「賃貸住宅で暮らし続けるか」
「見守り付きの住まいを探すか」
「老人ホームへ住み替えるか」
を一緒に考えた方がよい場合があります。
本人の状態や希望によって「賃貸か施設か」を最初から決めつけないことが重要です。
第13章 東京都で居住支援法人へ相談するには?
東京都でも、東京都知事の指定を受けた居住支援法人が活動しています。
東京都は指定法人について、名称・所在地・支援業務を行う事務所等を一覧で公開しています。
ここで重要なのは、
「東京都指定=東京都の機関」
ではないことです。
また、
「東京都がその法人の個々のサービス内容を保証している」
という意味でもありません。
住宅セーフティネット法に基づき、居住支援を行う法人として東京都が指定しているという位置づけです。
相談するときは、各法人が、
どの地域に対応しているか
どんな対象者を支援しているか
住宅探しを行っているか
見守りに対応しているか
家賃債務保証に対応しているか
その他どのような生活支援があるか
を確認するとよいでしょう。
第14章 東京都社会福祉支援センターの居住支援
一般社団法人東京都社会福祉支援センターは、東京都指定の居住支援法人として、高齢者など住まいにお困りの方の相談を受けています。
私たちが大切にしているのは、
「部屋を探して終わり」
にしないことです。
例えば高齢者の住まい相談では、
住まい
身元保証・身元引受
緊急連絡先
退院後の生活
見守り
老人ホーム
終活
死後事務
相続・不動産
など、住居以外の問題が同時に存在することがあります。
だからこそ、
「賃貸住宅を探す」
という一つの問題だけを見るのではなく、
「その住まいで安心して生活を続けるためには何が必要か」
まで整理することを大切にしています。
第15章 支援者からの相談にも対応しています
住まいの問題に最初に気づくのは、本人や家族だけとは限りません。
ケアマネジャー
病院MSW
退院支援担当者
地域包括支援センター
行政・福祉関係者
介護施設関係者
などから、
「この方の退院先をどうしよう」
「高齢の利用者が退去しなければならない」
「身寄りがなく、住まい探しが進まない」
といった問題が見えてくることがあります。
住まいの問題を福祉職だけで抱え込む必要はありません。
居住支援法人という相談先があることを知っていただくことも重要です。
第16章 居住支援で大切なのは「借りられるか」だけではない
高齢者の住まい相談では、
「家が見つかりました」
で終了すると、その後に別の問題が発生することがあります。
例えば、
一人暮らしで何かあったら誰が気づくのか
体調が悪化したら誰につなぐのか
家賃や生活費を管理できるか
介護が必要になったらどうするか
入院したらどうするか
亡くなった後の家財はどうするか
という問題です。
だから居住支援では、
「入居できる住宅」
だけではなく、
「そこで生活を続けられる仕組み」
まで考えることが重要です。
第17章 まとめ|住まいに困ってからではなく「困りそう」な段階でも相談できます
居住支援法人は、
「住む家がなくなった人だけが最後に相談するところ」
ではありません。
「高齢になり今の住まいが不安」
「更新できるか心配」
「保証人を頼める人がいない」
「退院後に一人暮らしへ戻れるか分からない」
「親の住み替えを考え始めた」
「ケアマネとして利用者の住居問題に困っている」
という段階でも、相談先を探し始める意味があります。
一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、ご本人、ご家族だけでなく、ケアマネジャー、病院MSW、地域包括支援センターなど支援者の方からのご相談にも対応しています。
「賃貸住宅がいいのか、老人ホームなのかも分からない」
「保証人の問題なのか、緊急連絡先の問題なのかも分からない」
その段階からで構いません。
まず、
今どこに住んでいるのか
これからどんな生活を希望しているのか
住まいを確保するうえで何が問題になっているのか
入居後にどんな支援が必要なのか
を整理するところから始めます。
住まいを見つけることだけがゴールではありません。
その先も安心して暮らし続けられること。
それが、居住支援で最も大切なことです。
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