身元保証と成年後見の違いとは?どちらが必要?老人ホーム・入院・認知症まで徹底解説【完全ガイド】

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目次


身元保証と成年後見・任意後見の違いや老人ホーム入居・入院・認知症への備えを解説するタイトル画像

身元保証と成年後見の違いとは?どちらが必要?老人ホーム・入院・認知症まで徹底解説【完全ガイド】

「身元保証と成年後見は何が違うの?」

「成年後見人がいれば、老人ホームの身元保証人になってもらえる?」

「身元保証サービスを利用していれば、認知症になっても大丈夫?」

「身寄りがない場合は、身元保証と成年後見のどちらを利用すればいい?」

高齢者の老後や老人ホーム入居について考え始めると、よく出てくるのが**「身元保証」と「成年後見」**という言葉です。

名前だけを見ると似たような制度に感じるかもしれません。

しかし、結論からいうと、

身元保証と成年後見は、目的も役割も異なります。

簡単に整理すると、

身元保証=入院・老人ホーム入居・緊急時など「生活を支える仕組み」

成年後見=判断能力が低下した方の財産管理や法律行為を「法的に支える制度」

という違いがあります。

そのため、「どちらが優れているか」を比較するものではありません。

ご本人の年齢、健康状態、家族関係、財産、住まい、認知症の有無などによって、身元保証だけでよい場合、成年後見が必要になる場合、両方の役割が必要になる場合があります。

一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、老人ホーム紹介や身元保証、おひとりさま・身寄りがない高齢者の終活などについてご相談をお受けしています。

この記事では、身元保証と成年後見の違いについて、老人ホーム・入院・認知症・財産管理・死後事務まで含めて分かりやすく解説します。


身元保証と成年後見の違いを最初に比較

まず、大きな違いを整理しておきましょう。

比較項目身元保証成年後見
主な目的入院・施設入居・緊急時などの生活支援判断能力が不十分な方の法的支援
老人ホーム入居時の身元保証契約内容により対応原則として成年後見人本来の役割とは別
入院時の身元保証契約内容により対応原則として成年後見人本来の役割とは別
緊急連絡先契約内容により対応職務・状況による
財産管理原則として別契約・別制度主要な役割
法律行為の代理原則できない権限の範囲内で可能
認知症への法的対応それ自体では成年後見の代わりにならない判断能力に応じた支援
死後事務別契約等で対応する場合あり成年後見人の権限は死亡により原則終了
主な対象身元保証や生活支援が必要な方判断能力が不十分な方など

※具体的な権限や対応範囲は、制度・契約内容・個別事情によって異なります。

この違いを理解することが、老後の準備を考える第一歩です。


身元保証とは?

身元保証とは、高齢者が入院したり老人ホームへ入居したりする際などに、家族や親族へ頼ることが難しい場合に利用される支援の一つです。

民間事業者や法人などが、契約内容に応じて、

  • 老人ホーム入居時の身元保証
  • 入院時の身元保証
  • 緊急連絡先
  • 身元引受
  • 見守り
  • 生活支援
  • 緊急時対応

などを行う場合があります。

ただし、「身元保証サービス」という名称でも、すべての事業者が同じサービスを提供しているわけではありません。

契約前には対応範囲を確認する必要があります。


身元保証が必要になりやすい場面

① 老人ホームへの入居

老人ホームへ入居する際、施設によっては、

  • 身元保証人
  • 身元引受人
  • 緊急連絡先

などを求める場合があります。

おひとりさまや身寄りがない高齢者の場合、

「保証人になってくれる家族がいないから老人ホームへ入れないのでは?」

と不安になる方もいます。

しかし、施設によって条件は異なり、身元保証サービスなどを利用できるケースもあります。


② 入院するとき

医療機関への入院でも、

  • 緊急連絡先
  • 身元保証人
  • 身元引受人

などについて確認される場合があります。

ただし、医療機関ごとに運用は異なります。

身寄りがない場合には、病院の医療ソーシャルワーカーや相談窓口、地域包括支援センターなどへ事情を伝え、必要な支援を確認することが重要です。


③ 緊急連絡先がいないとき

「子どもがいない」

「親族とは疎遠」

「家族は遠方に住んでいる」

「家族に負担をかけたくない」

などの理由から、緊急連絡先を頼める人がいない方もいます。

身元保証サービスによっては、契約内容に応じて緊急連絡先として対応するものがあります。


成年後見制度とは?

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などによって判断能力が十分ではない方について、財産管理や契約などを法律的に支援する制度です。

例えば認知症が進行すると、

  • 預貯金を適切に管理する
  • 介護サービスを契約する
  • 老人ホーム入居契約を行う
  • 不動産に関する手続きを行う

といったことが難しくなる場合があります。

こうしたときに本人を法的に支援するのが成年後見制度です。


成年後見制度には大きく2種類ある

成年後見について理解する際に重要なのが、

「法定後見」と「任意後見」

の違いです。


法定後見とは?

法定後見は、すでに判断能力が不十分になった方について、家庭裁判所の手続きを通じて支援する制度です。

本人の判断能力の程度などに応じて、

  • 後見
  • 保佐
  • 補助

という類型があります。

家庭裁判所が本人に適した成年後見人等を選任します。


任意後見とは?

任意後見は、本人の判断能力が十分なうちに、

「将来、判断能力が低下したら、この人に支援してもらいたい」

とあらかじめ契約しておく仕組みです。

任意後見契約は公正証書によって締結し、本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することで任意後見が開始します。

つまり、

法定後見=判断能力が低下してから

任意後見=元気なうちに将来へ備える

という大きな違いがあります。


成年後見人は何をしてくれる?

成年後見人等の重要な役割は、

財産管理と身上保護に関する法律行為

です。

例えば、

  • 預貯金等の管理
  • 必要な支払い
  • 介護サービス契約
  • 老人ホーム等への入居契約
  • 本人に必要なサービスの契約
  • 財産に関する手続き

などを、権限の範囲内で行います。


「身上保護」と「身元保証」は違います

ここは非常に混同されやすいポイントです。

成年後見人には「身上保護」という役割があります。

そのため、

「身上保護=身元保証なのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし同じではありません。

身上保護とは、本人の生活や医療、介護などに必要な契約や手続きを行うことなどを意味します。

成年後見人自身が介護をしたり、常時付き添ったりすることを意味するものではありません。

そして、成年後見人だから当然に入院や老人ホームの身元保証人になるというものでもありません。


成年後見人は老人ホームの身元保証人になってくれる?

ここは特に多い質問です。

結論として、

成年後見人と老人ホームの身元保証人は別の役割です。

成年後見人は、本人の財産を本人のために管理する立場です。

その成年後見人が個人的に本人の債務を保証することは、成年後見人本来の職務とは異なります。

そのため、

「成年後見人がいる=老人ホームの身元保証人も確保できた」

と考えないことが重要です。

施設側が求めている役割を確認し、必要であれば別途身元保証について検討します。


成年後見人は入院時の保証人になってくれる?

これについても基本的な考え方は同じです。

成年後見人がいることと、入院時の身元保証人がいることは別問題です。

成年後見人は本人の財産から入院費等を適切に支払うための財産管理を行うことがありますが、成年後見人自身が個人的に債務を保証する立場とは異なります。

病院が何を求めているのかを確認する必要があります。


身元保証サービスがあれば成年後見はいらない?

必ずしもそうではありません。

ここも重要です。

身元保証サービスを利用していても、ご本人が認知症などによって判断能力を失った場合、財産管理や法律行為について別の法的支援が必要になることがあります。

例えば、

「身元保証会社が緊急連絡先になっている」

ことと、

「本人の預金を管理して契約を代理できる」

ことは別です。

身元保証サービスだけで成年後見制度を完全に代替できるわけではありません。


身元保証と成年後見は併用できる?

状況によっては、それぞれ異なる役割を担う形で利用することが考えられます。

例えば、

身元保証

老人ホーム入居時の保証
緊急連絡先
入院時の支援
見守り

成年後見

財産管理
介護・施設等の契約
法律行為

というように役割を分けます。

重要なのは、

「どちらか一つを選ぶ」という発想ではなく、「自分にはどの役割が必要なのか」を考えることです。


身寄りがない高齢者はどちらを利用すればいい?

これは、ご本人の状況によって異なります。

判断能力が十分にある場合

まだ元気で判断能力が十分にあり、

「老人ホームの保証人がいない」

「入院時の緊急連絡先がいない」

という問題が中心であれば、身元保証や緊急連絡先について検討することがあります。

さらに将来の認知症に備えたい場合には、任意後見などについて専門家へ相談する方法があります。


すでに判断能力が低下している場合

認知症などによって契約内容を十分理解して判断することが難しくなっている場合、本人だけで新たな契約を締結することが難しいケースがあります。

その場合には、法定後見制度などを検討することがあります。

具体的な判断については、専門家や地域包括支援センター等へ相談してください。


身元保証・成年後見・死後事務は全部違う

さらに混同されやすいのが死後事務です。

大きく整理すると、

身元保証

入院・老人ホーム・緊急時などを支援

成年後見

判断能力が低下した本人の財産管理・法律行為などを支援

死後事務

亡くなった後の葬儀・納骨・住居の解約などを事前の契約に基づき行う

という違いがあります。


成年後見人は亡くなった後も全部やってくれる?

これも誤解されやすい部分です。

成年後見は、本人が亡くなると原則として終了します。

成年後見人には、死亡後に一定の事務を行える場合がありますが、葬儀・納骨・賃貸住宅の解約など、亡くなった後の希望をすべて成年後見人へ任せられるという制度ではありません。

そのため、おひとりさまや身寄りがない方の場合には、必要に応じて死後事務委任契約などについても検討します。


おひとりさま終活では4つを分けて考える

おひとりさまの老後を考える際は、次の4つを分けると分かりやすくなります。

① 身元保証

入院・老人ホーム・緊急連絡先など。

② 成年後見・任意後見

判断能力が低下した場合の財産管理や法律行為への備え。

③ 死後事務

葬儀、火葬、納骨、住居やサービスの解約など。

④ 相続・遺言

亡くなった後の財産を誰に承継させるか。

この4つは関連しますが、同じものではありません。

おひとりさま終活では、それぞれの役割を理解して「抜けている部分」をなくしていくことが重要です。


「元気なうち」に相談する意味

老後の準備について、

「認知症になったら成年後見を考えればいい」

と思っている方もいます。

しかし、任意後見など、本人の判断能力が十分なうちだからこそ選択できる仕組みがあります。

さらに、

  • どこで暮らしたいか
  • 老人ホームへ入るのか
  • 自宅をどうするのか
  • 誰に何を頼みたいのか
  • 葬儀や納骨をどうしたいか

などについても、自分の意思を反映しやすくなります。

だからこそ、

「まだ元気だから早い」のではなく、「元気だからこそ考えられる」

という視点が大切です。


高齢者の自宅・マンション売却と成年後見

高齢者からの相談で注意したいのが不動産です。

例えば、

「老人ホームへ入るので自宅を売却したい」

というケースがあります。

ご本人に十分な判断能力があれば、ご本人の意思で売却を進められます。

しかし認知症などによって判断能力が十分でなくなると、本人だけで有効な売買契約を締結することが難しくなる場合があります。

成年後見制度を利用している場合でも、本人の居住用不動産を処分する際には家庭裁判所の許可が必要となる場合があります。

そのため、

「老人ホームへ入る可能性がある」「将来自宅を売却するかもしれない」

という方は、元気なうちから住まいについて考えておくことも大切です。


家族がいる人にも身元保証・成年後見の知識は必要?

「子どもがいるから関係ない」

とは限りません。

例えば、

  • 子どもが遠方に住んでいる
  • 子どもも高齢
  • 家族と疎遠
  • 子どもへ負担をかけたくない
  • 家族が財産管理をすることが難しい

などの事情があります。

老後の支援は、

「家族がいるかどうか」より、「実際に誰が何をできるのか」

を考えることが重要です。


一般社団法人東京都社会福祉支援センターへ相談できること

一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、

  • 身元保証・身元引受
  • 老人ホーム紹介
  • 入院時の支援
  • 緊急連絡先
  • 見守り
  • おひとりさま終活
  • 死後事務
  • 成年後見・任意後見に関する相談
  • 相続
  • 住まい
  • 空き家・不動産

など、高齢者のこれからの生活についてご相談をお受けしています。

また、ご本人やご家族だけでなく、

  • ケアマネジャー
  • 医療ソーシャルワーカー
  • 地域包括支援センター
  • 老人ホーム相談員

など、支援者の方からのご相談にも対応しています。

大切なのは、

「身元保証にするか、成年後見にするか」を最初から決めることではありません。

まず、

「今、何に困っているのか」

「これから何が心配なのか」

「将来どのように暮らしたいのか」

を整理し、その方に必要な支援を考えることです。


身元保証と成年後見|セルフチェック

次の項目を確認してみてください。

□ 老人ホームの身元保証人を頼める人がいない
□ 入院時の緊急連絡先がいない
□ 一人暮らしで将来が不安
□ 子どもや親族に負担をかけたくない
□ 認知症になった場合が心配
□ 預貯金の管理を将来誰に任せるか決めていない
□ 任意後見について知らない
□ 自宅を将来どうするか決めていない
□ 葬儀・納骨を誰にお願いするか決めていない
□ 死後事務について準備していない
□ 遺言・相続について整理していない

複数当てはまる場合でも、一度にすべてを決める必要はありません。

まず「何が決まっていないのか」を把握することから始めましょう。


身元保証と任意後見を組み合わせるケース

身元保証と成年後見は役割が異なるため、状況によっては両方の仕組みを組み合わせて考えることがあります。

特に、おひとりさまや身寄りがない高齢者の場合は、

  • 今は元気
  • 将来は老人ホーム入居を検討
  • 入院時の保証人や緊急連絡先が不安
  • 認知症になった後の財産管理も心配
  • 亡くなった後の手続きも準備したい

というように、複数の課題を同時に抱えるケースがあります。

その場合、

今の生活支援は身元保証、将来の判断能力低下への備えは任意後見、亡くなった後は死後事務、財産承継は遺言

というように、役割を分けて設計する考え方があります。


具体例|元気な70代・一人暮らしの場合

例えば、70代で一人暮らしの女性が、

「今は元気だけれど、将来が心配」

と相談したとします。

現在は自分で契約や財産管理ができるため、すぐに法定後見が必要な状態ではありません。

一方で、

  • 入院時の保証人がいない
  • 老人ホーム入居時の身元保証人もいない
  • 認知症になった後が心配
  • 葬儀や納骨を頼める人もいない

という課題があります。

この場合、元気なうちに、

  • 身元保証
  • 任意後見
  • 死後事務委任
  • 遺言

について整理しておくことで、老後全体の不安を減らせる可能性があります。


身元保証と成年後見の費用はどう違う?

費用は契約内容や専門家、サービス内容によって大きく異なります。

そのため、「一般的にいくら」と一律に言うことはできません。

ただし、費用の考え方は分けておくと分かりやすいです。

身元保証の費用

身元保証サービスでは、事業者によって、

  • 入会金
  • 月会費
  • 身元保証費
  • 緊急対応費
  • 見守り費
  • 実費

などが発生する場合があります。

さらに、死後事務まで含める場合は別契約や追加費用になることもあります。


任意後見の費用

任意後見では、

  • 公正証書作成に関する費用
  • 専門家へ依頼する場合の契約費用
  • 任意後見開始後の報酬
  • 任意後見監督人の報酬

などが発生することがあります。

特に、任意後見が実際に開始すると、任意後見監督人が選任され、その報酬が発生する場合があります。


法定後見の費用

法定後見では、家庭裁判所への申立てに関する費用や、成年後見人等に専門職が選任された場合の報酬などが発生することがあります。

報酬は家庭裁判所が決定します。


費用だけで選ばないことが重要

身元保証も成年後見も、老後の生活に深く関わる仕組みです。

そのため、

「一番安いところ」

だけで判断するのはおすすめできません。

重要なのは、

  • 誰が対応するのか
  • どこまで対応するのか
  • 費用は明確か
  • 緊急時の対応体制
  • 解約条件
  • 金銭管理の方法
  • 将来まで継続して支援できるか

まで確認することです。


成年後見人は誰がなるの?

成年後見人等には、

  • 親族
  • 弁護士
  • 司法書士
  • 社会福祉士
  • 法人

などが選任される場合があります。

ただし、法定後見の場合、

「この人を後見人にしたい」と希望しても、必ずその人が選ばれるとは限りません。

最終的には家庭裁判所が本人に適した成年後見人等を選任します。


任意後見なら自分で選べる?

任意後見は、判断能力が十分なうちに、

「将来この人にお願いしたい」

という相手と契約できます。

この点は、法定後見との大きな違いです。

ただし、任意後見契約を結んだだけですぐに後見が始まるわけではありません。

本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所へ申立てを行い、任意後見監督人が選任されてから任意後見契約が効力を生じます。


家族を任意後見人にできる?

可能です。

ただし、任意後見人には財産管理や契約など責任のある業務が発生します。

そのため、

  • 本人との関係
  • 財産管理能力
  • 将来的な年齢
  • 距離
  • 本人との信頼関係

などを十分に考える必要があります。


司法書士や弁護士に頼むメリット

専門職へ依頼する場合は、法律や財産管理に関する専門知識を活用できる点がメリットです。

一方で、報酬が発生します。

また、成年後見人は「家族代わり」ではありません。

例えば、

  • 毎日話し相手になる
  • 病院へ必ず駆け付ける
  • 介護そのものを行う
  • 老人ホームの身元保証人になる

といった役割とは異なります。

だからこそ、生活支援や身元保証が必要な方は、成年後見とは別に支援体制を考える必要があります。


老人ホーム入居時の具体例

ケース① 判断能力は十分、保証人がいない

80代男性。

判断能力には問題ありませんが、子どもがおらず老人ホームの身元保証人を頼める人がいません。

この場合、成年後見制度よりも、まずは老人ホーム側が求める身元保証や緊急連絡先について確認することが重要です。

身元保証サービスなどを利用できるケースがあります。


ケース② 認知症が進んで契約が難しい

80代女性。

一人暮らしをしていましたが、認知症が進行し、老人ホーム入居契約の内容を十分理解することが難しくなっていました。

この場合には、法定後見制度などを利用し、契約を支援する必要が生じる可能性があります。

ただし、成年後見人と施設の身元保証人は別の役割です。


ケース③ 元気なうちに老人ホームも将来も備えたい

70代女性。

今は元気ですが、

「将来老人ホームへ入りたい」
「認知症になった後も心配」
「亡くなった後の手続きも頼める人がいない」

という相談です。

このようなケースでは、身元保証・任意後見・死後事務・遺言などを役割ごとに整理しておく方法があります。


身寄りがない高齢者の相談事例

事例① 成年後見があればすべて解決すると思っていた

70代男性。

将来の老人ホーム入居を考え、

「後見人をつければ保証人問題も全部解決すると思っていた」

と相談されました。

そこで、

  • 成年後見
  • 身元保証
  • 緊急連絡先
  • 死後事務

の役割が違うことをご説明しました。

そのうえで、現在の生活状況や将来の希望を整理し、必要な仕組みを一つずつ検討していくことになりました。


事例② 自宅をいつ売るか迷っていた

80代男性。

将来老人ホームへ入る可能性を考え、自宅マンションの売却を検討していました。

しかし現在は元気で、ご自宅で生活できていました。

ご本人と話し合い、

「今すぐ売却する必要はないのでは」

とご提案。

まずは今後の生活、任意後見、施設入居などについて整理しながら、必要なタイミングで改めて自宅について検討することになりました。


身元保証・成年後見で失敗しないための注意点

① 「全部任せられる」と思わない

身元保証、成年後見、死後事務、相続はそれぞれ役割が異なります。

一つの制度で全部解決するわけではありません。


② 認知症が進む前に相談する

本人の判断能力が低下すると、新しい契約を結ぶことが難しくなる場合があります。

特に任意後見や死後事務などを検討する場合は、元気なうちから相談することが大切です。


③ 費用・契約範囲を確認する

サービス名だけではなく、

  • 何をするか
  • 何をしないか
  • 追加費用
  • 解約条件

まで確認しましょう。


④ 自宅・財産も一緒に考える

老人ホームへ入る場合、自宅や預貯金の管理も問題になります。

身元保証だけではなく、財産管理まで含めて考える必要があります。


⑤ 亡くなった後まで考える

成年後見は本人が亡くなると原則終了します。

おひとりさまや身寄りがない方は、死後事務や遺言についても準備しておくことが重要です。


ケアマネジャー・病院相談員が知っておきたいポイント

高齢者本人からではなく、

  • ケアマネジャー
  • 医療ソーシャルワーカー
  • 地域包括支援センター
  • 施設相談員

などからご相談いただくケースもあります。

例えば、

「老人ホームへ入れる施設は決まったが保証人がいない」

「本人の判断能力が低下していて契約が難しい」

「成年後見人はいるが身元保証人がいない」

といったケースです。

このとき重要なのは、

「身元保証人がいない問題」と「本人が契約できない問題」を分けて整理することです。

前者は身元保証の問題、後者は成年後見など法的支援が必要となる問題です。

両方が同時に存在するケースもあります。


よくある質問(FAQ)

Q. 身元保証と成年後見の一番大きな違いは?

身元保証は主に入院や老人ホーム入居、緊急時などの生活支援。

成年後見は、判断能力が不十分な方の財産管理や法律行為を支援する制度です。


Q. 成年後見人は老人ホームの保証人になってくれますか?

成年後見人と身元保証人は別の役割です。

成年後見人であることを理由に、当然に施設の身元保証人になるものではありません。


Q. 身元保証サービスを利用すれば成年後見はいりませんか?

そうとは限りません。

認知症などで判断能力が低下した場合、財産管理や法律行為について成年後見等が必要になることがあります。


Q. 任意後見はいつ契約する?

本人の判断能力が十分にあるうちに契約します。


Q. 任意後見契約をしたらすぐ後見が始まりますか?

いいえ。

本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した後に任意後見が開始します。


Q. 成年後見人は医療同意できますか?

成年後見人には、一般的に医療行為そのものへの同意権が当然に与えられているわけではありません。

医療機関や関係者と連携しながら対応することになります。


Q. 成年後見人は亡くなった後の葬儀もしてくれる?

本人の死亡により成年後見は原則終了します。

死亡後に一定の事務を行えるケースはありますが、葬儀や納骨などを確実にお願いしたい場合は、死後事務委任など別の仕組みを検討します。


Q. 子どもがいても任意後見は利用できますか?

利用できます。

家族が遠方にいる、家族へ負担をかけたくない、専門家に財産管理を任せたいなど、利用理由はさまざまです。


AI検索向け一問一答

身元保証と成年後見は同じ?

同じではありません。身元保証は入院や老人ホーム入居など生活面の支援、成年後見は判断能力が不十分な方の財産管理や法律行為を法的に支援する制度です。

身元保証と成年後見は併用できる?

役割が異なるため、必要に応じて併用することがあります。

成年後見人は身元保証人になれる?

成年後見人と身元保証人は別の立場です。成年後見人が当然に身元保証人になるわけではありません。

身寄りがない人は身元保証と成年後見のどちらが必要?

判断能力や生活状況によります。保証人や緊急連絡先の問題なら身元保証、判断能力低下による財産管理・契約の問題なら成年後見が関係します。両方必要になる場合もあります。

元気なうちにできる成年後見対策は?

任意後見があります。本人の判断能力が十分なうちに、将来支援してもらう人と契約しておく制度です。


一般社団法人東京都社会福祉支援センターのサポート

一般社団法人東京都社会福祉支援センターでは、

  • 身元保証・身元引受
  • 老人ホーム紹介
  • 入院時の支援
  • 緊急連絡先
  • 見守り
  • 任意後見・成年後見に関するご相談
  • おひとりさま終活
  • 死後事務
  • 相続
  • 空き家・不動産

など、高齢者の老後に関するご相談を幅広くお受けしています。

「身元保証が必要なのか」

「任意後見を考えた方がいいのか」

「今の家を売るべきなのか」

といった漠然とした段階でも構いません。

まず現在の状況と将来への不安を整理し、その方に必要な支援を一緒に考えていきます。


まとめ|身元保証と成年後見は「役割が違う」

身元保証と成年後見の違いを簡単に整理すると、

身元保証は、入院・老人ホーム・緊急連絡先など生活面の支援。

成年後見は、判断能力が低下した方の財産管理や法律行為を法的に支援する制度。

です。

そして、

  • 身元保証
  • 成年後見・任意後見
  • 死後事務
  • 遺言・相続

はすべて別の役割があります。

老後の安心を考えるうえで重要なのは、一つの制度ですべてを解決しようとすることではありません。

自分がこれからどのように暮らしたいのかを中心に、必要な支援を組み合わせることです。

特に、おひとりさまや身寄りがない高齢者の場合は、元気なうちから準備することで選択肢が広がります。

「まだ早い」と先送りするのではなく、

「元気な今だから考えられる」

という視点で、まずは専門家へ相談してみましょう。


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当団体は東京都指定居住支援法人です